2013年2月1日金曜日

第504話 田端でバタバタ (その1)

東京都には23の区があり、
JR山手線には29の駅がある。
さて、ここで問題です。
23区のうち、もっとも駅がたくさんあるのは何区でしょう?

都内の地理に明るい方なら
駅名と所在区を指折り数えれば回答は明らか。
ただし、意外な事実にビックリされるはずだ。

何となれば、正解は城北の豊島区ですからネ。
区都(こんなのありません)池袋を擁するものの、
あの狭い豊島区に5つの駅がひしめいちゃっている。

もっと驚くのは中央区には一つもないこと。
「有楽町で逢いましょう」の有楽町は
目の前に銀座を控えていても千代田区。
目黒駅でさえ、地番は品川区につき、目黒区もゼロ。
山手線の駅を区内に収める区は23区中、
たったの9区にすぎない。

乗降客数はどうだろうか?
断トツは誰もがうなづく新宿。
第2位の池袋を大きく引き離している。
大ざっぱに列挙すると、

 ① 新宿 ― 75万
 ② 池袋 ― 55万
 ③ 渋谷 ― 40万
 ④ 東京 ― 38万
 ⑤ 品川 ― 32万

なのである。
こうみると新宿はオバケですな。
東京と品川の合計の上をいっている。
渋谷が東京を上回っているのにも愕然。

それはそれとして、逆に乗降客数が少ない駅はどこだろか?
細かい数字は定かでないとしても
駒込・田端・新大久保・目白・鶯谷が
さみしい五人囃子であることに間違いはあるまい。

前フリが超ロングになったが
今回の舞台は全29駅中、もっともさみしいと思われる田端。
第一、なんでこんな駅名にしたんだろう?
田んぼの端っこの田端、昨今の女の子なら
「イミ、判んな~い!」で一巻の終わりだろうぜ。
北口はともかくも、西日暮里方面の丘に出る南口には
心底さみしい風景が拡がっている。

ある月夜の晩。
小高い丘に立ったJ.C.の耳元に聴こえてきたのは
古賀メロディー、もとい、このメロディーであった。

=つづく=