2016年8月11日木曜日

第1423話 リオの男たち (その2)

金メダルの重さのハナシだが
昨日の朝日新聞・朝刊を開いて驚いた。
内村航平がメチャメチャ重いと語っていたのは
待ち焦がれた団体総合のせいだけではなかったのだ。

リオデジャネイロのメダルの重量は500gとのこと。
500g=1/2kg、あまりピンとこないが
ビールのロング缶と同じだと思えば実感がわく。
いえ、缶ビールを首からブラ下げちゃいませんけどネ。

ちなみに前回のロンドンのメダルは410g。
前々回の北京はたったの150g。
リオの1/3 足らずなのだ。
比べてみりゃ、500gはメチャメチャ重いわ。

それにしても軍事費だの岩礁の埋め立てだのには
莫大な資金の投入をいとわない大国が
ヨソの国に持ち帰られてしまう、
オリンピック・メダルについてはずいぶん節約した。
フンッ、あの国らしいと言えばあの国らしいわい。
親玉が替わってからというもの、
とめどなく悪くなっていくねェ、彼(か)の人民共和国は―。

ともあれ日本体操男子の面々は五人五様、
互いに持ち味をじゅうぶん発揮して頑張ってくれた。
東京五輪から52年、半世紀以上も見守り続けてきたが
こんなにユニークな日本チームは初めてだ。

心身ともに絶対的大黒柱の内村のチームではある。
そこに空から降ってきた星の王子さま、
現地ではツイスト・プリンスの異名をとる、
白井健三の存在がとてつもなく大きい。

予選の失敗によって演技種目の順序に
不利が生じたというメディアの論評が目立ったが
そうはまったく思わない。
むしろ、よかったんじゃないかな。

不得手な種目が最後にくると、
選手に大きなプレッシャーがかかるし、
これは選手の演技に関係ないけれど、
観ている側の精神状態まで穏やかじゃなくなる。

今回は言うまでもなく、次回の東京でも
願わくば日本のゆか運動を最後に観たい。
まあ、順序がどう変わろうと、
4年後の金メダルはまず動くまい。

日本に有利なのは苦手とするあん馬やつり輪では
爆発的な高得点が出にくいこと。
逆に得意な鉄棒・跳馬・ゆか運動など、
離れ技・ひねり技が主体の種目は進化に際限がない。

とにもかくにも旧人類と新人類が力を合わせ、
シナジー効果を生んでもぎ取った金であった。
個人種目を軽視するものではないが
団体競技の金メダルは格別の歓びを運んでくれる。

=つづく=