2016年8月29日月曜日

第1435話 ふりむけばリオ (その3)

オリンピックにおける、
あいや、世界選手権でも同じことだが
柔道の最大の欠点は
ときとしてワケが判らなくなる、あのイエローカード。
いわゆる”指導”であろうヨ。
1枚もらうごとに

 指導→注意→警告→反則負け

と罰は重くなり、4枚目で万事休すと相成る。
互いに技のポイントがなく、
”指導”のうえで相手より有利な立場にいる選手は
残り時間とともにひたすら逃げ回ることになる。
技のポイントでリードしているならまだしも、
格闘技でありながら”逃げるが勝ち”ってのも何だかなァ。

よってJ.C.、無い知恵を搾って考えました。
こういうのはどうでしょう?

全ての試合を無制限一本勝負とする。
技を点数に換算して

 一本=100点 技あり=50点 有効=25点

とし、どちらかの得点の合計が100点に達したとき勝負がつく。
イエローカードは4枚もらうと反則負けだが
3枚までは点数に反映されないものとする。
このルールなら”逃げるが勝ち”はまったく機能しない。

「それじゃ選手の体力が持たないでしょ?」ってか?
いいえ、そんなことはございません。
全選手、一回戦から1日1試合とすれば何の問題もない。
そもそも各階級ごとに1回戦から決勝まで
1日で決着を付けることにムリがあるのだ。
陸上でも水泳でも日を改めて進行させるではないか―。

第一日は全階級一回戦、翌日は二回戦というように進めれば、
競技に必要な日数も短縮されて余計に中身が濃くなる。
畳の上の緊張感は高まり、観る者にもより力が入る。
選手にしたってたっぷり休養を取っているから
普段の力をじゅうぶんに発揮できるというものだ。

現行ルールでは組合わせに恵まれ、
短時間で一本勝ちを重ねてきた選手と
強豪相手に延長に次ぐ延長を戦い抜いた選手とでは
肉体疲労の差があり過ぎますヨ。

早けりゃ数秒で決着がつく大相撲でさえ、
取り直しや優勝決定戦を除けば
一日一番を鉄則としてるじゃないの。
柔道よ、大相撲に学べ! である。

今まで適切なルール改正が成されなかったのは
日本の委員・役員の力不足以外の何物でもない。
柔道は日本発祥のスポーツにつき、
本邦の関係者には大きな発言権があったハズ。
それがこの体たらくでは
語学のハンディを差し引いても怠慢のそしりは免れまい。
しっかりしておくれな、山下サンよっ!

=つづく=