2016年8月31日水曜日

第1437話 ふりむけばリオ (その5)

日本選手団が獲得した8個の銀メダル。
その中で忘れてならないのは
女子レスリング53kg級の吉田沙保里だろう。
年齢的にもピークを越えていただけに
四連覇を危ぶむ声は少なくなかった。

それが準決勝を勝ち抜いた時点で
失ったポイントがゼロというすばらしい躍進ぶり。
決勝では一気に期待が高まった。
でも、やっぱりなァ。

58kg級の伊調馨にすら一抹の不安を感じていたJ.C.、
驚くことはなかったが
やはり四連覇を達成させてあげたかった。
しかし、敗戦の弁を涙ながらに語る彼女に
つい、もらい泣きした視聴者は少なくなかったに違いない。
だからこそゴルフのノラリクラリが許せないのだ。

12年もの長きに渡り、
日本中を歓喜の渦に巻き込んでくれた稀代の名選手に
「ごめんなさい」を言われてはわれわれも立つ瀬なく、
今は「ありがとう、お疲れさま」―
それ以外に言葉が見つからない。
ここで感謝の気持ちを込めて彼女に一句捧げたい。

 金よりも とうとき銀が 涙(なだ)さそう

もしも伊調に続く四連覇成ったれば、
日本人を熱狂させただろうが
破れて得た銀メダルはより大きな感動を運んでくれた。
大鵬だって千代の富士だって、
あの長嶋茂雄だって、破れて去って涙したんだもの。

2020年に期待する向きもあろうが
彼女にそれは酷、というよりムリ。
このまま第一線を退くのが好ましく、
おそらく本人は引退の道を選ぶのでしょう。

さて、21個の銅メダルである。
日本選手団のドル箱とも言える体操・水泳・柔道・レスリング。
ここはやはり、それ以外の競技に注目せざるを得ない。

となると、筆頭株は
カヌー・スラローム男子カナディアン・シングルの羽根田卓也。
今や女性ファンのあいだでは
ハネタクの愛称で人気急上昇中だという。

やれやれ、キムタクの次はハネタクかい?
まったくもって、わが国のオンナどもときたら・・・。
まっ、いいか、それに値する活躍をしたんだからネ。
許す、許す、J.C.は許す!

=つづく=