2016年8月18日木曜日

第1428話 高麗人参に困った! (その3)

いやはや、リオの男たちも頑張ったが
女たちはそれ以上ですな、マッタク。
金3個のおかげで夜も眠れず、
またもや完全徹夜と相成りましたとサ。

さて、西日暮里のスナック「Y」に入店した。
店内は右手に5席ほどのカウンター。
左側のテーブル席はらくに10人は座れるだろう。
先客は常連と思しきオジさん一人だけだった。

初見の来客に驚いた様子のママが
それでも笑顔を見せて迎えてくれた。
交わす言葉はネイティヴな日本語ではない。
ハハ~ン、この人はコリアンだネ。
ってことは、ここはコリアン・スナックなんだな。

勝手が判らないから、いきなりボトルを入れるわけにはいかない。
無難なビールを所望すると、つまみは韓国海苔である。
こういうシチュエーションは実に久しぶり、意想外な展開となった。
とにかくボックス席に落ち着いたわれわれをよそに
常連さんがマイクを手に取った。
歌うナンバーは裕次郎の「赤いハンカチ」、よい選曲であります。

 ♪   アカシアの花の下で
   あの娘が窃(そ)っと 瞼を拭いた
   赤いハンカチよ
   怨みに濡れた 目がしらに
   それでも泪は こぼれて落ちた  ♪
        (作詞:萩原四朗)

数ある裕次郎の曲の中でマイベストはこの曲。
ついでに数ある裕次郎の出演映画の中で
マイベストも同名のこの映画。
コリアン・スナックだから
「釜山港に帰れ」あたりが流れるものと
勝手に思っていたので
まことに意想外なミュージックの洗礼を浴びたことになる。

ママはちょうど四十路を超えた感じのお年頃。
気を使いすぎるくらいに接客が丁寧だ。
中瓶のビールを1本飲み終えてJ.C.はビールのお替わり。
M鷹サンはハイボールを注文する。
すると彼女が外へ出て行った。

何のこたあない、
近所でウイスキーとソーダ水を調達してきた模様である。
さり気なくバック・バーを見やると、
韓国焼酎の真露(じんろ)のボトルが並んでいる。
ふ~む、この店のメインドリンクは焼酎なんだネ。

あらためてビールとハイボールのグラスを合わせていたら
マイクとカラオケ・マシーンを携えたママが
ニッコリ笑ってやって来た。

=つづく=