2017年3月13日月曜日

第1577話 芋と聞いたらどんな芋?

朝日新聞のコラムに「東京のほぉ~言」というのがあって
先日のテーマは【いも】であった。
執筆者は国立国語研究所助教の三井はるみサンである。
ご本人の諒解も承諾も得ていないが一部分を紹介してみたい。

「イモ」と言ったらどんな芋を思い浮かべますか。
東日本ではジャガイモ、西日本ではサツマイモを
指すことが多いのですが、東京ではサトイモが一般的でした。
「芋の煮っころがし」や
「芋の煮えたもご存じない」の芋もサトイモです
 =中略=
高年層では、1960年前後と近年の2度の全国調査で、
東京のサトイモ優位は変わっていません。
しかし、食生活の変化とともに存在感が薄れ、
代わって洋食になじむジャガイモが台頭してきました。
現在、東京を含む全国で、若年層を中心に、
芋=ジャガイモという人が増えています。

ふむ、フム、なるほどねェ。
そんな時代もあったっけ。
実際に1960頃、我が家の食卓にのぼるのは
ジャガイモよりサトイモが優位だったかもしれない。

でもネ、おウチのカレーなんかにゃジャガイモ不可欠だろうし、
精肉店の店先だってポテトフライや
野菜サラダが必ず並んでいた。
ちなみに野菜サラダは昨今のポテトサラダのこと。
昭和30年代にはそう呼ばれていたのだ。

はるか昔、大正6年(わが母の生年)に
「コロッケの唄」が一世を風靡している。

 ♪ 今日もコロッケ 明日もコロッケ ♪

というヤツだ。
歌がヒットする10年ほど前の明治後期、
すでにコロッケは日本中に広まっていたらしい。
大正初期になるとコロッケはとんかつ、カレーライスと並び、
日本三大洋食を形成していたという。

J.C.が芋と聞いて重い浮かべるのはジャガイモである。
欧米人なら断然ジャガイモであるはずだ。
欧米ではほかの芋にほとんどお目に掛からない。
したがって海外生活が長いと
おのずから、イモ=ジャガイモになってしまう。

サツマイモ、サトイモ、ナガイモ、ヤマトイモ、
日本は世界に名だたるイモ大国なのだ。
そう言えば最近トンと見掛けなくなったのが
イモネエチャンという名のイモ。
ヘアにメイクにファッションに
現代のネエチャンは余念がないもの。
だけどさァ、そのぶん一番大事な人情が薄れたみたい。
心なしかイモネエチャンが懐かしい今日この頃であります。