2019年3月7日木曜日

第2083話 鴨とすっぽん (その1)

江戸川区・北葛西に
すっぽんを出す日本そば屋があるという。
すっぽん鍋を供する高級そば割烹かと思いきや、
そうではなく、こくフツーの町場の店らしい。
ただし、もり・かけ、たぬき・きつね、おろし・とろろなどを
取り揃えて出前なんかも厭わぬ、
その町に根付いたそば屋ではないそうだ。

Eating is believing.
飲む・食う・歌うのさんとも、O戸サンに声を掛け、
待合せたのは都営新宿線・西葛西駅である。
進路を北にとって歩くこと10分。
近隣住民の憩いの場、行船公園のそばに
「手打ち蕎麦 ひまわり」はあった。

ビジネスカードには

手打ちのため、お蕎麦の形には
愛嬌があり数量に限りがあります
1日30食目処に打っております

とある。
蕎麦の形もそうかもしれないが
文言にも愛嬌がある。
それにしても1日30食でペイするのだろうか?

営業時間は10:30~15:00。
蕎麦のストックに懸念がなければ、
11:30~13:30 17:30~20:00
にしたほうがずっと売上に貢献するだろうに—。
時間だって同じ4時間半。
中休みの間にたっぷり蕎麦を打てるしネ。

13時半に入店すると、先客はグループが1組だけ。
接客は母上、調理が子息の母子経営である。
母子手帳なんぞ見なくてもすぐに判った。
面貌はあまり似てないけどネ。

瓶ビールを1本所望したらスーパードライの小瓶。
即刻、もう1本追加する。
一緒にとりわさも。
何処から来た鳥か訊かなかったが
良質のささみ肉がネットリと旨い。
残念ながらわさびはチューブだったけど―。

「ひまわり」のウリは鴨とすっぽんの二本立て。
せいろにかけ、なめこそばなどもあったが
力を入れているのは上記の2点だ。
それぞれ汁にくぐらすつけそばタイプと
熱いつゆを張ったかけそばタイプが用意されている。

=つづく=