2019年3月25日月曜日

第2095話 連夜の花わさび (その1)

青砥の「小江戸」で独り飲みした翌晩。
北関東の地方都市から上京して来た友人と
夕食をともにすることになった。
相方のリクエストは文京区・本駒込の「コザブロ」。
何でもスパイス・バルを謳う店らしい。
アレッ、ちょっと待てヨ、利用してはいないが
数ヶ月前に店の前を通った記憶がある。

白山上から団子坂下へと続く、
大観音(おおがんのん)通りに新しめの当店を発見。
ガラス越しにのぞむ、明るい店内が好印象にして
店頭の品書きにも興味が湧いた。
こりゃ、渡りに舟だわ、そう思ったのだ。

「コザブロ」は通りの名前の由来にもなっている、
天昌山光源寺(駒込大観音)のはす向かい。
光源寺は浄土宗の寺だが
キリスト教会のチャペルみたいな造りは
夜道に通りすがると、その金色の観音像が闇に輝き、
一種、異様な雰囲気を醸して、ちょいと怖いくらいだ。
毎年7月9日と10日の両日、
四万六千日の縁日が開催されるとのこと。
縁日とは無縁の身ながら今年は出掛けてみようかな?

レイアウトは逆L字カウンターに
テーブルが2卓のコンパクトな設え。
開店時間の17時半に赴くと、先客はテーブルに1組だった。
当方スーパードライの中瓶。
下戸の相方は自家製ジンジャーエール。
再会を祝ってグラスを合わせる。

このジンジャーエールがユニークだ。
たっぷりの刻み生姜に加えて
カルダモンシードまで浮き沈みしている。
なるほどスパイス・バルですな。

最初に通したのは
前菜おまかせ5種盛りのスモールサイズ。
陣容を記せば、

スパイシー・コールスロー(紫キャベツ)
キャロット・ラペw/クミンシード
チャナチャット(ひよこ豆のサラダ)
真がきのピックル
鶏砂肝のピックル

ちなみにピックルとはピクルスの単数形。
それでは、いただくとしましょう。

=つづく=