2019年3月28日木曜日

第2098話 連夜の花わさび (その4)

無濾過純米・垂珠の飲み口は
ネーミングに反してすっきり爽快。
初顔合わせなのに
いつかどこかで飲んだような・・・
記憶の糸をたぐり寄せつつ、しばし沈思黙考。
おう、そうだ、思い出したゾ。

思い当たったのは同じ山形の大山(おおやま)だ。
しばらく顔を合わせてないけれど、
この銘酒に出逢ったのも
やはりマンハッタンの日本料理店「レストラン日本」。
タコの八ちゃんみたいな、
中心部に氷を閉じ込めて周りの酒を冷やす、
独特のガラス容器で供された。

「レストラン日本」は1987~8年頃、よく利用した気に入りの店。
ニューヨークきっての老舗で、鮨は今ひとつだったものの、
目の前で揚げられる魚介と野菜の天ぷらがよかった。
かの地の日本レストランは専門化が進み、
総合和食は苦戦気味と伝え聞くが
今も健在であることを祈りたい。
 
さて、串焼きは協議の末に
モモ、レバー、ラム、サメの4本を選択。
焼き上がったものから順次いただく。
添えられたミント&パクチーのチャツネとともに味わう。
ふ~む、ティッカだけにスパイスは感じる。
しかし、いずれもきわめてフツーで
香ばしさの欠如は炭火焼きではない証しだろう。

互いにほぼ満腹ながら、あえて締めのカレーを。
4種のカレーから2種択べる、
相掛けのスモールポーションを分け合うことに。
ラインナップはかくの如し。

チキンカレー
ラムキーマ・ビンダルー
サメのカレー
チャナマサラ

サメはカレーにまでなっちゃってるヨ。
ところが店主曰く、
南インドでサメはポピュラーな食材なんだと。
ホントかいな?

択んだのはサラサラのスリランカ風チキンと
ヴィネガーの効いたゴア風ビンダルー。
チキンは軽く緩く、少々もの足りない。
ここはボロネーゼのラグーみたいなビンダルーに軍配。

総合評価としては一度試せば、しばらくいいかな?
という感じ。
どうも最近、ヒットに恵まれない苦難の日々が続いている。
早いとこスランプから抜け出さなきゃネ。

=おしまい=

「スパイスバル・コザブロ」
 東京都文京区向丘2-34-8
 03-6874-1597