2019年3月1日金曜日

第2079話 北千住に「いもや」があった! (その2)

ビールの合いの手に択んだ〆さばは8切れもあった。
こりゃ食べ切れんかも知れんな・・・。
自信はなかったものの、うん、うん、なかなかいいゾ。
刺身でもイケる素材なら浅い〆でOKだが
フツーのさばは〆具合強めが好みで、ここのは強め。

そうこうするうち、ごはんが炊き上がった。
最安値は定食が730円、天丼は800円。
違いの理由は不明なれど、
一般的に天丼のほうが安いんじゃないの。
それでも、天丼をお願いした。

整うまでのあいだ、さらに〆さばを突つく。
あれれ、不快なことに骨が舌に残ったヨ。
手抜きとは言わないが、もっと慎重に毛抜きを使わないとネ。

さて、天丼の陣容は、海老・いか・なす・ピーマン・大葉、
そして海老と玉ねぎのかき揚げである。
「いもや」の天ぷらは軽いコロモがイノチ。
サクッサクの歯ざわりが心地よい。
しばらく訪れていないから定かではないが
本店の特徴はちゃんと引き継がれているようだ。
大ざっぱに掛けられた丼つゆも
かえって味変を生み出し、効を奏していた。

手の空いた店主と言葉を交わす。
第一の興味は、いつから此処に店を構えているのか?
このことであった。
いや、驚きやしたネ、何と50年だとサ。
実に半世紀じゃないか!
現在の彼(たぶん倅)に代替わりして丸5年とのこと。
先代は本店に居た方で当店は暖簾分けだった。

以前、同じ通りにあるハンバーガーショップ、
「サニー・ダイナー」を利用したが
なぜそのとき、「いもや」に気づかなかったのだろう?
単純な見落としとしか考えられない。
お勘定は締めて1850円也。

当初のターゲットだったとんかつ屋の位置を確かめるため、
駅方向に戻らず、道を奥へと進んだ。
屋号がオモテに出ていない店舗は
「サニー・ダイナー」の15メートルほど先にあった。

歩きながら気になったのはコートに付着したごま油の匂い。
神保町のすずらん通り、「はちまき」では
ごま油のよい匂いに誘われたのに
衣服に付くのはちっともうれしくない。
もっとも焼肉屋や干物屋の匂いよりはずっとマシだけどネ。

「天麩羅 いもや」
 東京都足立区千住3-31
 03-3881-9744