2021年9月2日木曜日

第2733話 ビストロが 心をこめた へびの道 (その1)

前話の銀座豪遊には非難の嵐。

あらためて自分が”嵐を呼ぶ男”と認識した次第だ。

いやはや、お小言をいっぱいたまわりました。

 

珍しく大阪の小姑はナンも言って来んかったがネ。

返ってこの沈黙がワいコ。

長時間居すわったものの、別段”密”でもなかったし・・・。

ん? ”密”じゃなかったが”蜜”ではあったかも?

また非難の嵐はゴメンなので先を急ぐ。

 

メトロ千代田線・根津&千駄木駅近く、

文京&台東の区界をヘビ道がクネっている。

かつて津軽料理屋があった場所に

ビストロがオープンしたのは3年前のことだ。

 

その「サンセリテ」を予約なしで昼過ぎに訪れた。

店名は真心、誠実さを意味する仏語だが

ショップカードには“谷中ビストロ”とあった。

 

カウンター7席、テーブル1卓のコンパクトな店内。

中年シェフのワンオペである。

先客はカウンターに2人連れの若い娘、

テーブルに4名のオバさまと紅組一色で

あたかも朱雀(すざく)の群れに

白鳩(はっきゅう)が舞い降りたかの如し。

ん? アンだって?

鴎(かもめ)の群れに鴉(からす)だろ!ってか?

フン、ほっとけや。

 

ランチタイムは、オードヴルと

メインディッシュからなるAコース(1980円)、

メインが2皿になるBコース(2860円)の2種類。

食の細いJ.C.は当然、Aを選択する。

メニューをザッと紹介しよう。

 

=オードヴル=

田舎風パテ 自家製ピクルス添え

冷製トマトクリームスープ

ラタトゥイユ 温玉添え

若鶏もも肉とレバーのテリーヌ

タコとオリーヴのマリネ南仏風

 

=メインディッシュ=

仔羊もも肉のロースト マスタードクリームソース

サワラのポアレ バルサミコソース

豚バラ肉のシュークルート

平鯛のポアレ ベーコン風味の焦がしバターソース

 

デセールとコーヒーor紅茶が付く。

ちなみに平鯛は目鯛のこと。

冷製トマトスープに惹かれながらもラタトゥイユ、

仔羊もも肉と迷った末に豚バラ肉を択んだ。

酒類はビールもワインもダメで

「ノンアルがありますが・・・」

「う~ん、あとで飲みたくなったらネ」

 

パンはバゲットとカンパーニュが1枚づつ。

「有料でけっこうなんでバター下さい」

会計時にレシートをチェックしたら

フリー・オブ・チャージだった。

直近、小竹町も神楽坂も有料だったけど、

さすがに此処はサンセリテ(真心)がこもってるわ。

 

=つづく=