2021年9月23日木曜日

第2748話 洋食店の日の丸弁当

この日のランチは池袋に拠点を置く、

パン・洋菓子と洋食の「タカセ 下板橋店」。

最寄りは東武東上線・下板橋ながら

使い勝手のよい都営三田線・新板橋から歩いた。

 

子どもの頃、池袋本店での食事がうれしかった。

それが大人になったら

あれっ、こんなモンだったっけ?

舌が肥えたのか味がオチたのか、よう判らん。

 

本店、巣鴨店は利用したが

未訪の板橋店に行ってみたかった。

常々、前を通るたびに

いい雰囲気だなと思っていた。

 

13時ちょうどに到着すると、

並んでいたのは男女3人組。

10分ほど待ち、窓際の四人掛けに案内された。

 

ガラス越しに向いのキッチン オリジンが見える。

大きな垂れ幕にカキフライの文字。

そうか、いよいよカキのシーズン到来か―。

標識により、この道筋が下板橋通りと知った。

 

家を出る前から

タカセ弁当(ドリンク付き¥920)に決めていた。

メニュー中、唯一のタイトルロールだからネ。

 

四つに仕切られた弁当の内容は

右上、海老とサーモンのフライ、繊切りキャベツ。

右下、ウインナーと豚肉生姜焼き。

左上、おざなりでないミニ・コンビサラダ。

左下、ゴマを振った日の丸ごはん。

縦横の仕切りの交差点に

小さなサークルがあり、そこに山菜水煮。

あとは、わかめの味噌椀。

 

総じてあまり美味しくない。

殊にイケナかったのは生姜焼きだ。

甘辛く濃い味付けに肉質も悪く、

ガリッときたのは混入した骨片だった。

 

フライもイマイチだし、

香の物代わりのつもりだろうが

出来合いの山菜はまったくのセンスレス。

老舗らしからぬ不出来というほかはない。

 

食後のアイスレモンティーを飲みながら

身の振り方を思案する。

  中山道沿いに仲宿

  北池袋を経て池袋

この二択だが迷うことはないやネ。

おいしい水が待っているのは間違いなく②番。

 

アントニオ・カルロス・ジョビンの

「おいしい水」ではなく、

彼へのオマージュ、マイケル・フランクスの

「アントニオズ・ソング」をハミングしながら

さして長くもない下板橋の商店街を往きました。

 

あっ、これ、名曲です。

ボサノヴァ好きでなくとも完オチします。

ぜひとも聴いてみてください。

 

「タカセ 下板橋店」

 東京都板橋区板橋1-37-10

 03-3962-7301