2021年9月15日水曜日

第2742話 庄内の 香りを乗せた おむすび屋 (その1)

タンメン&甘酒の翌日。

またまた御茶ノ水にやって来た。

本日は小川町の隣り、駿河台だ。

 

実はカレーにフラれて定食を食べた日の帰り道。

通りすがったおにぎり屋に心惹かれ、つい入店。

その名を「すずのおむすび」といった。

 

呼称としてはおにぎりよりおむすびのほうが

美味しそうで好感がもてる。

子どもの頃、おとぎ話の「おむすびころりん」に

なじんだせいだろう。

 

店内にイートイン・スペースがあるが

昼めしを食べたばかり。

何か気に染まるものがあったら

持ち帰るつもりでショーケースをのぞいた。

 

ありゃりゃ、ほとんど売り切れちまって残り少ない。

「どちらをお取りしましょう?」―

なんて乙女に笑顔て問われたら

「またにします」―

なんて言えるほど人情味に薄い男ではない。

葉とうがらしと塩むすびを指差した。

 

ほかに残っていたのは昆布、ツナマヨ、玄米の塩のみ。

ポピュラーな鮭、たらこは払拭されていた。

コンビニで人気のツナマヨらしいが

売れ残っているのは客層の違いだろうか―。

 

この手の食いものは

若いリーマン及び、女子高生専用にしてほしい。

J.C.は過去に食したことがないし、

未来永劫口にするつもりもない。

 

その夜と翌朝におむすびを一つづつ食べたら

飯粒そのものが美味しくて

にぎり方、じゃなかった、むすび方が

フワッでもギュッでもなく、ちょうどよいほどけ具合。

山形・鶴岡産のおやじ米使用とのこと。

 

店でもらったパンフレットに目を通す。

おむすびはなかなか多彩だ。

ふくや明太子・筋子・米沢牛しぐれ煮・かしわ飯・

キーマカレーなどなど。

 

惹かれたのは“旬を味わう 彩りランチ”と

銘打たれた定食類。

そのラインナップは次話で―。

 

=つづく=