2021年9月29日水曜日

第2752話 即席ヅケの まぐろぶつ

「若葉」を出て氷川台の町をしばし散策。

僥倖により大瓶に恵まれながら

1本にとどめたのは

ブクロのブレイクルームが待っているからだ。

メトロ有楽町線の真上をテクテク行った。

 

環七を渡ると道筋は要町通りを名乗る。

小竹向原を抜け、千川に到着。

駅そばの母校・板橋高校に立ち寄る。

3年前に落成した新校舎が立派だ。

 

正門の先にあった運動部の小汚ねェ部室は

すべて取っ払われ、西門が設置されていた。

近距離に二つのゲートは要らんだろうに

見栄えだけはいい。

 

昔より緑が深まり、道幅も拡がった並木道を往く。

山手通りを横断し、なおも真っ直ぐに

池袋駅北口のガードをくぐって東口へ出た。

 

西武百貨店のはす向かいに

先日訪れた「タカセ 下板橋店」の本店。

板橋在住の友人が「タカセ」はあんパン以外は

パンも洋食もイマイチと言うので

こしあんパンを二つ買ってみた。

 

そしてまたもや美久仁小路の“ふくろ小路”。

今日も空いている。

ドライ大瓶のお通しはさつま芋のレモン煮。

まじめに作ってるなァ。

 

先述の通り、此処は揚げものが良質だが

初めて生モノを注文する気になった。

ラインナップは限定的で、まぐろ・たこ・いか。

まぐろの刺身とぶつがある場合はぶつにしている。

 

ぶつ(480円)は大きめの角切りが4個。

一口でいったら口中ぶつだらけになる。

割り箸をナイフ&フォークに見立て

切断を図るもスジが強くて難儀した。

 

うむ、質は悪くないネ。

一計を案じ、あまり飲みたくもない冷酒を所望。

辛丹波は好きな銘柄、その生貯蔵300ml瓶だ。

醤油用の小皿をもう1枚もらい、

生醤油と冷酒を同割りにしたところへぶつ投入。

自家製ならぬ、お手製即席づけを仕込んだ。

 

格段に旨くなったぶつで冷酒を飲みながら

小柱かき揚げ(430円)を追加。

肝心の小柱は数粒なれど、大量の玉ねぎがグンバツ。

サクッとシャキッと甘くやさしく、思わず目を閉じた。

やはり「ふくろ」は天ぷら&フライに尽きる。

台東区or文京区にあったら毎週顔を出すネ。

 

今宵は青江三奈の「大田ブルース」を口ずさむ。

 

♪ 別離(わかれ)の言葉も 云えないままに

  二人をひきさく 大田(テジョン)発0時50分 ♪

 

あっ、いけネ、こりゃまた小姑からクレームがつくな。

 

「大衆酒場 ふくろ 美久仁小路店」

 東京都豊島区東池袋1-23-12

 03-3985-5832