2021年9月30日木曜日

第2753話 から揚げに 圧倒された やきとり丼 (その1) 

この日は日本橋茅場町へ。

根拠なき株高を生み出している兜町の隣りだ。

漠然と、はるか昔に往時のFRB議長、

.グリーンスパンがもらした提言、

“イレイショナル・イグズーベランス”を思い出す。

市場に警鐘を鳴らした“根拠なき熱狂”を―。

 

それはそれとして、今日は焼き鳥丼を食べよう。

そう思って出没した茅場町だが

狙いは「鳥徳」、「宮川(みやがわ)」のどちらか。

 

ありゃあ!「鳥徳」の二階建てが影も形もない。

仕舞屋風の建物が忽然と消えてしまった。

3ヶ月ほど前に店先を通ったときは

テイクアウト限定とはいえ、営業は続けていた。

それがただ今、建て替え工事中。

近くで弁当販売の仮営業はしていた。

 

「やき鳥 宮川」の前には順番待ちが3人。

13時でこの程度なら少ないほうだ。

5分と待たず、すぐ前に並んでいたアンちゃんと

同じテーブルにはす向かいの相席で案内された。

 

彼の注文はから揚げ定食(950円)。

当方はやきとり丼(900円)。

ほうじ茶と鳥スープがすぐに運ばれる。

ふ~ん、から揚げねェ、此処は焼き鳥屋なんだぜ。

昨今の若い衆はみんな、から揚げが大好きだからなァ。

まっ、若気の至りってところだろうヨ。

 

なあんて、上から目線のJ.C.

すぐさま市場(?)のしっぺ返しを食らうことになる。

何となれば、周囲のほぼ全員がから揚げ定食なのである。

(何なんだヨ、オメエたちゃ正気かえ?)

心の内で叫ぶものの、彼らは正気であった。

勝手にやきとり丼が一番と思い込んでた、

自分の愚かさはすぐに証明された。

 

「宮川」のランチメニューは限定的だ。

われわれの2品のほかは

手羽先定食(900円)

かしわ丼(ねぎま3本)

もつ丼(レバ2本・砂肝1本)

あとは単品の串が

レバ・砂肝・かしわ・手羽先(各220円)。

ちなみにJ.C.の通したやきとり丼は

手羽先以外の3本のミックス。

 

同時に頼んだのに、から揚げは5分で着卓。

ずいぶん色白なのが7~8個はありそうだ。

脇には大量のきざみねぎと

とんすい(呑水)に入ったつゆ。

とんすいはポン酢(ちり酢)や天つゆを入れる小鉢で

一箇所がチョコンと突き出たヤツと言えば

お判りいただけるだろう。

 

から揚げに遅れることアナザー5分。

ようやく我がやきとり丼が目の前に舞い降りた。

 

=つづく=