この日、 西武新宿線を降りたのは中野区・鷺ノ宮。
実は先のチキンライス。
その発信源に苦言を呈したところ、
汚名挽回と罪滅ぼしを兼ねて
今一度とっておきを紹介するとのたまう。
どうしてエンコの住人のとっておきが
中野くんだりにあるんだい?
しかもオススメが日本そば屋のかつ丼と来たもんだ。
「セイム・アゲインだったら承知しないぜ」ー
悪態をつきつつも半信半疑で遠征した次第なり。
この提案を受け入れた理由の一つは
鷺ノ宮というロケーション。
妙正寺川のほとりに開けた、
瀟洒(しょうしゃ)な町並みが好印象。
「豊年屋」はフロアが4X3、小上りに4X2、
計5卓20席のコンパクトな造り。
接客は女将らしきオバさんと
厨房に店主らしきオジさん。
あとは倅だろうか?
出前要員のアンちゃんが出たり入ったりしている。
珍しい海老かつ丼があり、浮気しかけたが
オススメを蹴とばすわけにはいかない。
初志貫徹のかつ丼を
ドライの中瓶とともに発注した。
ビールにはかっぱえびせんのサービス。
ややっ、どんぶりが錦牡丹じゃないかー。
かつ丼に手をつける前、
あらためて全体像を俯瞰する。
焼き麩・ナルト・わかめの吸い物。
たくあん&白菜漬け、
そしてミニサイズの冷たいそばがうれしい。
胸弾ませてフタに指を掛けるが
丈が低くて上手くつかめないんだ。
陶器の薬味入れなんかでときどき見受けるが
造り手は何を考えてこういう厄介なモンを
世に送り出すのかネ。
うん、なかなかのルックスだ。
どこの店でもそうだが玉子をあまり溶かず、
カツの上に白身が掛かるとじ方。
これこそかつ丼の醍醐味を生む。
4切れのカツは四角いのが2枚。
それを一刀両断して横に並べ、1枚揚げを装う。
肩ロースだろう、適度な脂身が味わいを深める。
割下はかなり甘めだが、これもアリだと思われた。
特徴的なのは玉ねぎの不使用。
代わりというわけでもなかろうが
グリーンピースが4粒散らばっていた。
友人に合格点をつけたら、彼女歓び勇み、
しばらく会ってなかったこともあり、
上野・浅草あたりで1杯おごらされる羽目にー。
まっ、罪は滅ぼされたから、いいんだけどネ。
「豊年屋」
東京都中野区鷺宮3-15-14
03-3339-4138