2023年3月22日水曜日

第3236話 ハゼ天で飲る 雨の午後 (その2)

阿久&亜星の名コンビに目を付けた、
コロムビアはその3年後、
都はるみの「北の宿から」に結実され、
’76年の日本レコード大賞を獲得する。

J.C.的には「昭和放浪記」が
数段すぐれていると思うものの、
実際にレコードを買うのは
ファンの方々だから板し方ナシ。

ハナシが大きくそれてしまった。
いずれにせよ、外は3月の雨しぶき。
グラス片手に品札を見上げる。
遠くて読めないところは起立してスタスタ。

足元のカップルの片割れに
(何なの、このオッサン?)
言われんばかりの冷たい視線を浴びながら。
(オメエもそのうち老眼になるんだヨ)

おっと、ハゼの天ぷらがあるじゃないかー。
キスもイワシもあるけれど、
ハゼには希少価値が生まれる。
いいでしょう、いただきましょう。

中サイズが4尾揚がった。
あとはナスの小片と大葉が1枚。
天つゆもちゃんとついて来る。

塩のみ、生醤油&おろし、天つゆ&おろし、
変化をつけて味わうと、とてつもなく旨い。
安い酒場や食堂にありがちな
揚げ油の劣化などまったくなし。
これならキスもイワシも花マル間違いなしだ。

雨降りの日、東京の北側を攻めるときは
ぜひ、また来よう。
たびたび利用している「幸楽」だが
今回がベストだネ。

週明けの月曜だってえのに
繁盛ぶりは相当のものがある。
アチラ系娘4人がフル稼働で
客をさばいてゆく。
あしらいは丁寧で好感が持てた。

松皮がれい昆布締め、どぜう丸煮、
ハバネロたこ唐揚げなどに惹かれたが
次回のお楽しみとして無難な焼きとんをー。

大瓶の2本目とともに
シロ&レバをタレで1本づつ。
卓上の一味唐辛子を振り、口元に運ぶ。
甘めのタレは好きなタイプだ。

心身ともにくつろいで
お勘定は2千円と少々。
雨足が鈍るのを見計らい、
外に飛び出しましたとサ。

「大衆酒場 幸楽」
 東京都足立区千住2-62
 03-3882-6456