2023年3月15日水曜日

第3231話 台湾生まれの水餃子

神楽坂のメインストリート、
早稲田通りの北側にして神田川の南側に
地蔵通りが走っている・
今日の昼めしはそこ、新宿区・水道町である。
さほど長くもない商店街だ。

小さなビルの2階に
「フジコミュニケーション」を見つけたのは
2カ月ほど前だった。

台湾発祥の水餃子専門店は
台湾で修業を重ねた日本の料理人が始めた由。
奇妙な店名は相方とのコミュニケーションに
おもきを置いたためだという。

厨房の若い男性が店長だろう。
接客の若い娘とのツー・オペ。
カウンターに腰を落ち着けたが
メニューらしきものが見当たらない。

なんと面前のQRコードを読み取って
注文するシステムなのだった。
こういうのが苦手なオッサンは
お嬢の手を煩わせながらどうにか発注。

サッポロ赤星の中瓶と
彼女オススメのマーガオ餃子を通す。
マーガオというのは
台湾産のスパイスで言わば台湾山椒。
中国本土の花椒によく似ている。

餃子は6カン付け。
香港点心のハーガウ(海老餃子)を
一回りふくらませた形状だ。
スープや茹で汁は無く、
黒胡椒みたいなマーガオが砕け散っていた。

うん、実に旨い。
豚挽き肉が主体で、あとは白菜が少々。
生姜の風味に椎茸の隠し味。
造り手のデリカシーを強く感じる。

再びお嬢の手を借りて
蒸し鶏&パクチーサラダ・クミン風味を追加。
これまたとてもよかった。

中華料理にクミンはイメージが
ピンとこないけれど、
北方、西方では羊肉料理の風味付けや
匂い消しに重宝され、
孜然粉(ジーランフェン)と呼ばれる。

2本目は気分を変えてキリン・ハートランド。
サッポロと飲み比べると違いが如実に判る。
赤星はあくまでも日本のラガー。
ハートランドはチェコのピルスナー、
あるいはドイツや北欧の味わいがあり、
ユーロピアン・タイプだ。

会計は2760円。
台湾餃子専門店であらためて
サッポロとキリンの違いを痛感したのでした。

「フジコミュニケーション」
 東京都新宿区水道町1-23石川ビル2F
 03-5579-2712