2023年3月31日金曜日

第3243話 桜の下で 精進しました (その2)

「醍醐」は西暦2000年に建て替えられた。
青松寺の隣りに立派なビルができ、
境内から移転したのだ。
その3年後、真新しい現在の店舗を訪れた。
早いものでもう20年になる。

何やら縁を感じるが此度の法要。
J.C.は何一つ口出ししていないから
偶然の賜物と言うしかあるまい。

部屋の数多く、ほとんどすべてが
和式の庭を臨める造り。
ヴェジタリアンはもとより、
泳いだり駆けたりする生き物を
食べたくない向きに恰好の食事処と言える。

お昼のコースが
クラッシュド・アイスに注がれた、
梅酒でスタート。
一同、目と目でグラスを合わせ、
速やかにビールへと移行する。

先付は独活(うど)&わかめの酢の物。
そして胡麻&よもぎの生麩。
上々の滑り出しだ。
根菜の沢煮椀に浮く油は
じゃが芋を揚げてあるため。
淡白なお椀にコクを与えている。

山かけの手打ちそを
珍しくも練り辛子と青海苔でいただく。
これは心太(ところてん)からの着想かな?
そば打ちの技術は高いものがある。

色鮮やかな八寸だったが
どれがどれやら覚えきれなかった。
本日の主菜と呼ぶべき揚げ竹の子に
熱い白胡麻あんがたっぷりとー。
精進といえども食べ応えじゅうぶん。

締めは出汁を長いこと注ぎ足して
使っているという、なめこ雑炊。
料理はすべてシュウのイツながら
これだけ余計な気がした。
いわゆるヘビのアシですネ。

記念撮影は座敷の床の間をバックに1枚。
玄関先に咲き誇る桜の木の下でもう1枚。
桜の下で精進したかいあって
雨もすっかり上がっておりました。

「精進料理 醍醐」
 東京都港区愛宕2-3-1フォレストタワー2F
 03-3431-0811