2023年8月30日水曜日

第3351話 今宵の肴はカスベと甘鯛

金3780円也を支払って「吉池食堂」をあとにした。
せっかく来たんだから1Fの鮮魚売り場に顔を出す。
今夜は家めしにしよう。
晩酌の肴を調達していこう。

北海の魚介を堪能したため、生モノは欲しくない。
見初めたのは道産のカスベ(エイ)だった。
それも一般的なヒレではなく、
珍しいホッペタの部分だ。

一も二もなく、イン・マイ・バスケット。
値段は400円とちょっと。
あとは惹かれるものとてなく、
近所の松坂屋に向かった。

ほう、本日の目玉商品は山形産の甘鯛だ。
目元パッチリのほのかなピンクは紅甘鯛だネ。
京都の料理人じゃないから
コレをさばくのはラクじゃないが
適当なサイズの半身があって購入。
550円と高級魚がずいぶん安い。

何かもう1品あるといいな。
冷や奴にしよう。
たまには絹ごしにしてみよう。
松坂屋前から早稲田行きの都営バスに乗った。

皮付き生姜を2片投じて
沸騰させたお湯をカスベにぶっかける。
水・酒・醤油・砂糖を煮たてたところへ
ホッペタを静かに寝かし入れて
煮汁を何度もすくいかけ、
アルミホイルをかぶせたら最弱火で10分。
煮魚は作り立てより、しばらく置いた方が美味しい。
よって晩酌タイムまでそのまま放置する。

さて、一方の甘鯛だ。
こちらは岩塩をガリガリやって4時間ほど置いた。
水分の多いサカナはある程度、
その水分を除去してやらねばならない。

今日は酸っぱいモノが欲しくなり、
サッポロの男梅サワー、レギュラー缶をプシュッ。
甘鯛を焼く間にカスベのホッペの煮付けから。
いやはやとてつもなく美味い。
文字通り片方のホッペが落っこちた。

続いてひと塩の甘鯛。
いや。マイッたヨ、カスベの上をゆく。
さっき落としたホッペタを拾い上げて元に戻し、
今度は両頬のホッペを落とした次第でありました。