2012年1月16日月曜日

第230話 やっぱりヒイキの引き倒し (その2)

目黒区・目黒の「メッシタ」に来ている。
壁に書き出されたメニューの内容は多種多彩である。
小皿料理が少なくなく、1皿500円くらいから用意されている。
これなら少人数でもいろいろ試せてよろしい。

ワインは好きな北イタリアものが揃っており、好感度大。
カヴァロット・ギリニョリーノ ’09年が5250円。
プロデュットーリ・デル・バルバレスコ ’06年は8900円。
市価の2.5倍ほどの値付けでこの手の店としてはやや高めかな。
当夜の相方はほとんど下戸につき、グラスワインでお茶を濁した。
バルベーラ・ダスティ レ・フォルミケ ’10年を
何杯か飲んだが値段は不明。

注文した料理はかくの如しである。

 白インゲン豆のスープ煮 500円 
 セルウ゛ァティコのサラダ 500円
 にんじんのバター煮 690円 
 アーティチョークの玉子焼き 890円
 うさぎのフリット 1500円
 スパゲッティ・ボロネーゼ・ビアンコ 980円


白インゲンがいかにも牧歌的トスカーナ風。
セルヴァティコはルッコラの野生種のことだ。
ローマの冬の風物詩、プンタレッレのサラダを期待したが
ちょいと時期が早かったようだ。

にんじんのバター煮はイタリア人よりフランス人が好みそう。
好物だからあればお願いする一皿だがネ。
アーティチョーク(朝鮮アザミ)の玉子焼きは店の名物。
まあ、あんまり変哲はないけれど・・・。

うさぎはブツ切りにしちゃうと個性がボヤけ、
見た目も味もチキンとの区別がつきにくくなる。
やはり丸ごとローストに越したことはない。
トマトの赤を排したボロネーゼ・ビアンコ(白色仕立て)も
悪くないが個人的には定番のほうが好きだ。

あらためて店内を見渡すとテーブル席は皆無。
オープンキッチンに面した客以外は鼻っ面にガラス窓か壁だ。
目の前の窓はよくとも壁っってのはちょいとねェ。
まっ、狭い店なので文句は言えないか。

それはそれとして肝心の料理である。
いずれも水準に達してはいるが何皿かは自分でも作れそう。
したがって住まいや職場のそばにあったら重宝するが
あえて遠征・長征はおすすめしない。
近所に住むジモティのリピーターが口コミと書きコミで
盛んに喧伝した結果、かなりの高評価につながったものらしい。

結論を急げば過大評価と断じるほかはない。
やっぱりヒイキの引き倒しであった。
ただし、うら若き女性シェフは本当に一所懸命。
カンジがよく性格もよさそうだから日々進化してゆくのだろう。
これからが楽しみな1軒ではありましょう。

「メッシタ」
 東京都目黒区目黒4-12-13
 03-3719-8279