2012年1月30日月曜日

第240話 さおりも大きくなりました

先週綴った「廃墟の猫」は3話で締めくくったものの、
まだ何となく流れを引きずっている感じ。
何となれば、由紀さおりに振っちゃったからなァ。
彼女を素通りすることはできない。

「1969」かァ、しっかし素敵なコラボが生まれたものだ。
一世風靡と言い切っても過言ではないだろう。
つい先日、「さゆりは大きくなりました」(第227回参照)と題し、
石川さゆりにスポットライトを当ててみたが
どっこい、さおりも大きくなりました。
昨夜、NHKのBSプレミアム3で歌番組を観ていたら
二人一緒に登場して、ビックリしたなもう!

コラボのきっかけとなった「Taya tan」を
ピンク・マルティーニで聴きながらコレを書いている。
もともと由紀さおりは大好きな歌い手で
2年前だったか、由紀&安田姉妹のコンサートを
茨城県・牛久市まで聴きに行ったことがある。

デビューした当時のこともよく覚えている。
ただし、なぜか「夜明けのスキャット」はあまり好きではない。
スキャット自体に慣れなかったせいもあるが
何だか浮世離れしていて宇宙の果てとはいわないまでも
空飛ぶ機内で聴くしかないんじゃないの? てな印象だ。

彼女のデビュー翌年の1970年夏。
高校時代の仲間と一緒に伊豆七島の三宅島でキャンプをした。
ヒマに任せて1週間近く居たのではなかったかな。

ある日、砂浜で甲羅干しをしていると、
耳元のラジオから外人タレントの草分け的存在、
ロイ・ジェームスの低音が聴こえてきた。
「今週の第〇位、由紀さおりの『手紙』!」

♪   死んでもあなたと 暮らしていたいと
   今日までつとめた この私だけど
   二人で育てた 小鳥をにがし
   二人で書いた この絵燃やしましょう ♪
            (作詞:なかにし礼)


曲はいいし、詞はいいし、歌はうまいし、声もいい。
この日から、さおりが好きになりました。

せっかくだから例によってマイ・ベストスリー。

 ① 挽歌
 ② 手紙
 ③ タ・ヤ・タン
   次点 赤い星 青い星


①と②は僅差。
どちらも別れの歌、というか女が男に棄てられる歌だ。
①のほうがカラリとしており、やや救いがある。
イントロとインタールードがリズミカルにしてエキゾチック。
全体的にどことなくギリシャの民族音楽を連想させて哀愁が漂う。

「挽歌」はギリシャならぬトルコを旅しているときに繰り返し聴いた。
そう言やあ、50歳そこそこで没したロイ・ジェームスはトルコ系だ。
何だかまたハナシがつながりそうな予感がしてきたぞ。