2012年12月5日水曜日

第462話 よこはま橋に行きましょう (その1)

 ♪ 森へ行きましょう 娘さん アハハ
   鳥が鳴く アハハ  あの森へ ララララララ
   僕らは木を伐る 君たちは アハハ
   草刈りの アハハ  仕事しに     ♪
      (作詞:東大音感合唱団らしい

ポーランド民謡の「森へ行きましょう」を
初めて聴いたのは1962年か63年だったと思う。
正確には聴いたというより、
小学校の音楽の授業で習ったというのが正しい。

ポーランドでは古くから歌われていたこの曲が
日本に入って来たのは1955年。
10年も経ずに文部省が目をつけたことになる。
今と違い、昔のお役所仕事は迅速だったようだ。

港の見える丘の下でラーメンとカレーを食べた午後。
中華街と野毛の町をブラブラしたあと、
相方のP子は鎌倉へ帰って行った。
そして一人たたずむ横浜のたそがれどき。

 ♪  よこはま たそがれ  ホテルの小部屋
    くちづけ 残り香 煙草のけむり
    ブルース 口笛 女の涙
    あの人は 行って行ってしまった
    あの人は 行って行ってしまった
    もう帰らない          ♪
           (作詞:山口洋子)

そういう間柄じゃないから独り取り残された気はしない。
けれど何気なしに口ずさんだのは
五木ひろしのデビュー曲(五木としてはネ)。
リリースされたのは1971年3月だ。

忘れもしない41年前、その年その月25日の午前11時。
19歳のJ.C.はソビエト船・ハバロフスク号に乗り込み、
生まれて初めて故国を離れたのでした。

 ♪ 横浜から船に乗って ナホトカ着いた
   ここは港町 女が泣いてます   

ここんとこ歌ばっかりですんません。
「長崎から船に乗って」は五木ひろしの第2弾。
もっともナホトカの港じゃ、誰も泣いちゃいませんでしたがネ。

数ヶ月後に横浜の大桟橋に帰って来たら
日本全国津々浦々、流れていたのは「よこはま・たそがれ」、
「また逢う日まで」、「わたしの城下町」、この3曲でやんした。
しっかし、歌う3人はいずれも抜群の歌唱力ですなァ。
今の世のチャラ歌手に彼らの爪の垢でも煎じてやりたいヨ。

おっと、どうもハナシがソレルわ、ジュリアン・ソレル。
(文学好きじゃないと判らんよネ))
P子を見送ったあと向かったのは
横浜きっての下町的商店街、そう、よこはま橋商店街だ。
さして長くもないアーケードながら、ここは歩いていて楽しい。
みなさん、横浜を訪れたらぜひ、よこはま橋に行きましょう。
やっとこサ、冒頭の「森へ行きましょう」とつながりました。

=つづく=