2012年12月14日金曜日

第469話 煮込み追いかけ伊勢崎線 (その2)

煮込みの調査で足立区・西新井に来ている。
この駅で東武大師線に乗り換えれば、
弘法大師ゆかりの名刹、
西新井大師(五智山總持寺)まで一駅。
神奈川の川崎大師、
千葉・香取の観福寺大師堂とあわせて
関東厄除け三大師と呼ぶのだそうだ。

煮込みのハシゴのついでにお参りもないものだから
関原地区にて煮込み行脚を継続する。
2軒目の「浩二」での支払い時に
「またあとで寄るからネ」―こう女将にささやいたらしい。
心のうちで締めはこの店のラーメンと決めていたのかもしれない。

さて、3軒目は立ち飲みの「酒屋バル nibu」。
ここはお茶屋・Hしクンのホームグラウンドだ。
以前にも一度案内されたことがある。
ブンガクくんにとっては初訪問、というより、
彼にとっては西新井の街そのものが未踏の地だったのだ。

実はJ.C.、「nibu」の店主夫妻には恩義があった。
あれは今年の5月末。
旧友とともに北千住のスペインバル「ボケロン」を訪れた折、
満席であきらめ、引き揚げかけたところ、
店内のカップルがオモテに出て来て席をゆずってくれたのだった。
この親切なカップルこそ店主夫妻。
「nibu」には一度しかオジャマしていないのに
よくぞ覚えていてくださった・・・なのである。
恩を返すのにずいぶん日が経ってしまったけれど、
何となく肩の荷が下りた感じ。

もともとここは酒屋さん。
18時まで「松屋酒店」、それ以降は第二部の「nibu」になる。
カリニャン種の赤ワインをグラスで2杯飲んだ。
カリニャンはスペイン・サラゴサ県原産のぶどう品種。
プチトマト入りの牛すじ煮込みにピタリと寄り添う。
パンをもらったことだし、
鶏レバーのムースがほしくなったが、ここはグッと我慢の子。
これから約束をはたさずばなるまい。

そうして舞い戻った鶴田浩二ならぬ、ただの「浩二」。
女将に訊いたら息子さんの名前なんだと―。
スーパードライを飲みながら
3人で焼きそば&ラーメンを分け合った。
おう、おう、どちらもマトモだ、マトモだヨ。

 ♪ 何から何まで 真っ当じゃないか
   筋の通った ものばかり
   右を向いても 左を見ても
   馬鹿と阿呆の 男づれ
   どこに女の 影がある     ♪
    (本来は作詞:藤田まさと)

Hしクン、ブンガクくん、今回は馬鹿と阿呆にしちまって
ごめんねごめんね~!
おっと、これは鶴田浩二じゃなくって、U字工事でありました。

=つづく=

「酒屋バル nibu」
 東京都足立区関原3-28-11
 03-3886-2270

「浩二」
 東京都足立区関原3-17-10
 03-3887-0369