2012年12月31日月曜日

第480話 鰻屋の鯖うまし! (その1)

千葉県・松戸市は居住人口において県内第3の市。
J.C.にとってはしばらく棲んだ思い出深い街だ。
ここではいろんなことがあったなァ・・・。
20代半ばから30代初めにかけてだから、さもありなん。
当時は人口20万そこそこだったと記憶している。
あれからおよそ30年、今じゃ48万人と倍以上になった。

千葉市96万、船橋市61万に次いで県下3番目だが
上位2市の面積が272k㎡、85k㎡なのに対し、松戸は61k㎡。
人口で4番目の市川市が47万人の57K㎡で
人口密度では市川・松戸が一、二を争っている。
そりゃそうだろう、どちらも東京都に隣接しており、
首都に接する千葉県の市はほかにない。

松戸駅東口の正面に鰻の「軍次家」を見つけたのは数ヶ月前。
店舗は2階にあって階段入口の品書きを見たときに
ここは間違いなく佳い店だと直感した。

大正13年、創業時には川魚料理に佃煮問屋も兼ねていた。
鰻屋の命ともいうべきタレはずっと継ぎ足して使っている。
鰻は静岡や鹿児島の養殖モノ。
時期によっては国産より台湾産が優れていることもあり、
店主の目利きを頼りに使い分けている。

と、鰻について語ってきたものの、
J.C.が「軍次家」で食べたのはウナ子ちゃんに非ず。
白状すればサバ男くんでありました。
実食時のリポートはあと回しにして
今しばらく、この店を持ち上げてみたい。

まず、徹底した化学調味料の排除がエラい。
化学の子は鉄腕アトムとウランちゃんだけにしてほしい。
おっと、アレは科学の子だったか・・・。
科学まみれのお茶の水博士がここの料理を食べたら
いかなる感想をもらすのか、ちょいと気になるところではある。

ごはんは茨城県の農家から送られてくるコシヒカリの自家精米。
豆腐ははるか尾瀬からの取り寄せで、夏がくれば思い出す逸品。
驚いたのは使用水だ。
浸透膜浄水器でろ過した聖なる水は
本来、高級ホテルのビデ専用水として使われるべきもの、
というのは悪い冗談だが
訊けばこの浄水器、セシウムをすべて除去してくれるそうだ。
それならヤサ男のオタマジャクシなど一たまりもなかろうて。
(まだ言ってるヨ)

ということですから「軍次家」の真価を識るに
何も高価な鰻を奮発する必要はありません。

そろそろそばでも食べようかな。
どうぞみなさん、よいお年をお迎えください。

=つづく=