2012年12月27日木曜日

第478話 茶菓子にチャレンジ (その1)

いやあ、慣れないことはするもんじゃありませんな。
長年の習慣というものは一朝一夕に
変えられるものではないことを身にしみて感じました。

ことの発端はこうである。
12月を迎えて友人から立て続けに菓子をいただいた。
それも洋菓子と和菓子の両方を。
あまり甘いものを好まないから通常は
よく言えば、どちらかにおすそ分け、
あからさまに言うと、どこぞに横流しすることになる。
ところが師も駆け回る師走、
友だちに受け渡しする時間的余裕がない。
簡単には腐らないのをいいことに2~3日が経過した。

そして、とある夜更けである。
タンゴを聴きながら書き物をしていて、のどの渇きを覚えた。
冷蔵庫を開けてビックリ玉手箱、ありゃ~、ビールがねェゾ!
確かに買ってあったんだがなァ!
ビールはキッチンにあるにはあったが冷蔵庫の外でした。
この時期だからそこそこの冷たさは保っているものの、
やはりもっと冷えたのが望ましい。
かといって今から冷凍庫に入れてそのまま忘れちゃったら爆発だ。
いや、缶がふくらむだけで爆発なんかしやしないけど・・・。

ここでふと思ったのである。
今晩は少し酒量を減らしてみるかな・・・と。
そうだ、これを機会にしばらく節酒に努めてみるかな・・・と。
コーヒーはめったに飲まないが紅茶と緑茶ならOKだ。
もっとお茶を積極的に摂取して節酒につなげよう。
ことはついで、同時に甘味・スイーツを味わおうじゃないか。
ちょうど在庫があり余っていることだし・・・。
このことであった。

その夜は最中(もなか)と緑茶、翌晩はケーキと紅茶にした。
ふ~ん、悪かないねェ、タマにはいいねェ。
何だか子どもの頃に戻ったみたい。
小学生時代はアンコ玉や栗むしようかんで
一家団欒、よくお茶を飲んだものだ。

月に一度、わが家に来る父親の友人・A野サンは
泉屋の四角い缶に入ったクッキー専門。
缶の青と白のツートンカラーが子どもの目にもオサレだった。
もう一人のS上サンは三笠山のどら焼き一本やり。
むさくるしい家だったが、あの時代の男たちは
互いの家を訪ね合って酒を酌み交わしていたんだ。

茶菓子の独り宴会を始めて3日目の晩。
ケーキを緑茶で試してみると、これはこれでよい。
おそらく最中&紅茶もいいハズだ。

翌日。
猫がらみでちょいとお世話になった近所のオバさんに
あまりモノで悪いけどと、残りをもらってもらった。
目の前から甘いモノが、きれいサッパリ消えた瞬間である。

=つづく=