2012年12月28日金曜日

第479話 茶菓子にチャレンジ (その2)

何十年ぶりかで茶菓子とふれあった。
数日間だけの蜜月ではもったいない気がした。
連夜とはいかないまでも、せめて週に2~3回は向き合いたい。
素朴にそう思ったのである。

上野動物園にいたら夕焼け小焼けで日が暮れた。
不忍池の池畔をブラブラ。
いつの間にやら渡り鳥がたくさん帰って来ていて心が和む。
オナガガモ、ユリカモメ、キンクロハジロ、遊べや親のない水鳥。
連中は歓んでパンを食うがアンコはどうだろう。
今度、あんパンで試してみるか。
パンだけ食ってアンコを残したりして―。

”エサはやるナ!”―
池のほとりには上から目線の立て看板が随所に目立つ。
人と野鳥のふれあいに
無粋な役所がとやかく言う権利があるのかエ?
おのれの権益だけはガッチリ守った末に
あれするナ、これするナ、困ったものよのォ。
日本が第二のギリシャにならないように祈るばかりなり。

野鳥じゃなかった、茶菓子であった。
徘徊の末路、差し掛かったのは根の津の谷の交差点だ。
「I 田屋」なる甘味処の店先に腰の曲がりかかった老婆がひとり。
キンさんギンさんよりだいぶ若いから仮にドウさんとしておこう。
店の売り子さんと大きな声でしゃべっている。
ドウさんに興味はないが、つい立ち止まって様子を伺うに
けっこうな量の団子を買い込んだ。
袋が重くてヨロヨロしてるもの。

われに返って立ち去らんとするそのとき、
「ハイ、どうぞ!」―売り子に肥掛け(汚くてめんご)、
もとい、声掛けされちまっただヨ。
しかるに義経、もとい、J.C.、少しもあわてず、
「だんごください! みたらしとアンコを2本ずつ!」―
即座に応えたものでした。
よくも、「水割りをください!」と言わなかったものよのォ。
よくぞ、アンコを〇ンコと言い間違えなかったものよのォ。

何で1本ずつ頼まなかったのか?
これはオトコのつまらんミエが2本と言わせちまうのだヨ。
1本130円で計520円、すみやかに払って
吸い込まれたのははす向かいのスーパー「A札堂」だ。

さっきのドウさんと同じくらいに古い店舗だから売場もヤケに狭い。
それでもひとめぐりして目に入ったのは
レジの脇にあった大手パンメーカー製造のだんごパック。
いや、まいったぜ、何と3本入りで金77円也!
何だよコレ? 1本当たり26円じゃんよォ!
こんなん食ってダイジョビかァ?
何十年もだんごなんか(だんご屋サンめんご)買ったこたねェから
相場観がまったくないけど、すんごい価格差だやな。
ここで買ってどこかで売って、アービトラージできちゃうゾ!

ぜひ食べ比べたかったが、ここで買ったらだんご過多。
糖尿病も恐ろしいので素通りの巻だ。
でも、どうすんだヨ、食えもしないだんご4本。
唯一、同居のバカ猫のヤツ、肉団子は食うが串団子は食わニャい。
イザというとき、ニャンの役にも立ちゃしニャい、ケッ!

結局は薬局、3日掛けて食べ切りました。
いえ、まだ1本残ってる。
こういうのはいったい何日持つんかネ?
コレを書いてる今現在、目の前にはビールが1缶。
もちろん、だんごなんざあるわきゃない。
だんごもケーキも最中(もなか)も
アッシには関わりのねェ、仇なヤツラでござんした。
See you never !