2013年3月1日金曜日

第524話 言問橋と吾妻橋 (その1)

 ♪  なにも言うまい 言問橋の
   水に流した あの頃は
   鐘が鳴ります 浅草月夜
   化粧なおして 
   エー 化粧なおして 流し唄 ♪
      (作詞:石本美由起)

1959年、こまどり姉妹のデビュー曲「浅草姉妹」は
その翌年、同名映画化されて
当時小学三年生だったJ.C.は大田区・平和島の三原映画で観ている。
もっともあらすじはちっとも覚えちゃいませんがネ。

同じ双子デュオのザ・ピ-ナッツとは大の仲良しだった。
しかし多くのヒットに恵まれたピーナッツと比べて
こまどりはそうでもなかったように思われる。
名曲「浅草姉妹」を超える曲はとうとう生まれなかった。
1960年代に連続して7回も「紅白歌合戦」に出場しているが
なぜかこの曲は一度も歌われていない、不思議だ。

ピーナッツより3歳も年長なのに
いまだに芸能活動を続けているのは見上げたものながら
可愛らしかった容貌は見る影もなく、
今では施すその化粧の濃さからくまどり姉妹などと揶揄されている。
いくらなんでもそりゃ、あんまりじゃないかエ?

何と言っても 

 ♪ なにも言うまい 言問橋の ♪

この出だしが好きだ。
歌詞もメロディーもすさまじく浅草チック。
観音裏あたりの飲み屋でこの曲がかかったりすると、
なつかしさのあまり、心乱れるJ.C.なのである。

それともう一つ、言問橋となれば六歌仙の一人、
在原業平サンにも登場してもらわねば―。

 名にし負はば いざ言問はむ 都鳥
 わが思ふ人は ありやなしやと

ですネ。
ここに歌われている都鳥は
チドリ目のミヤコドリ(オイスターキャッチャー)ではなく、
あのかわゆいユリカモメである。

上野松坂屋の前から出るバスで根津・入谷・浅草経由、言問橋を渡った。
この日は鎌倉武士の末裔、P子と吾妻橋の「23BANCHI CAFE」で待合わせ。
浅草の名店をハシゴしようというのである。

橋のたもとで下車すると、はす向かいに「埼玉屋小梅」の暖簾が見えた。
いつだったかなァ、花見の際にいなり寿司や団子を買ったのは・・・。

=つづく=