2013年3月18日月曜日

第535話 はるばるきたぜ 雑色へ (その2)

東京の南のはずれ、大田区・雑色にやってきた。
「もつやき三平」の評判を聞きつけたからだが
まさか、3週ぶっ続けで通うとは思わなんだ。

初回に驚いたのはお通し(無料)のたくあん。
パリパリの歯ざわりが快適で
5切れもあったのについ、お替わりしてしまった。
たくあんのアンコールなんて生涯初ではあるまいか。

残念だったのは名物トリオの不在。
店は14時開店で稀少部位は夕方早い時間に売切れてしまう。
名物というのは、あわぴー、なんなん、わっぱの3品。
聞きなれないものばかりだけれど、
それぞれ子宮、食道、気管のことらしい。

こいつは食べにゃあならんと、翌週は早めに仕掛けた。
あわぴーは食感があわびソックリながら旨みには乏しい。
赤身肉のなんなんは歯応えのあるカシラみたいな感じ。
わっぱは輪っかの付いたナンコツで脂のノリもよろしい。
でも、やはり定番のレバ・シロ・ハツ・ガツ・アブラが好きだな。
殊にちょい焼きのレバは特筆に価する。

忘れられないのが、ねぎ。
ほどよい焦げ目のついたねぎが皿に置かれたときに
立ち上がった甘い香りは今でも鼻腔の奥に残っている。
ここのねぎは都内随一でありまっしょう。

ふと、アイデアが浮かんだ。
普段は必ずタレで食するシロを塩で頼み、ねぎと合わせてみた。
いや、これがバッチリ! 旨いのなんのっ!

人気商品だったレバ刺しが当局の禁止令が出て以来、
生ではダメになり、生モノはガツのみになった。
ただし、レバと違って一度ゆがいたものを冷製で供している。
しかし、コイツがヤケに旨い。
醤油・食酢に練り辛子・青海苔を合わせていただく。
必注の一品として太鼓判を捺したい。

三度目は上京してきた北ののみともを案内した。
せっかくの一夜にビールともつ焼きだけでは気の毒なので
前回、町内散策の際に見つけておいた、
ブルガリア料理店に移動する腹積もり。
したがって胃袋には余裕を持たせておかねばならない。

それがそうもいかないんですヨ。
何せ、相方も根っからのもつ好きにつき、
東海林さだおサンじゃないけれど、
あれも食いたい、これも食いたい状態なんざんす。
結局は薬局、かなり飲み食いしちまって
満足のうえにほぼ満腹に相成りましたとサ。

=つづく=

「もつやき三平」
 東京都大田区南六郷1-8-5
 03-3732-1468