2013年6月19日水曜日

第602話 南北アメリカ大陸から (その2)

コンフェデ杯のブラジル戦惨敗から気を取り直し、
一人の青年に期待を込めて観た全米オープン。
今回はひかりTVのゴルフ・チャンネルと
地上波のTV朝日をやりくりしてじっくりと観戦した。
ゴルフクラブを置いて早や十数年、
それでもいまだに観るのは好きなのだ。

ハードなコース設定の大会は本当に面白い。
国内の箱庭コースをチマチマと回り、
バーディー続出の試合なんぞ、観る気がまったくしなくなる。
日本の男子に世界的な選手が生まれないのは
その環境が災いしていると指摘されて久しいが
一向に改善される兆しが見えない。
お手盛りのマスターベーションに明け暮れてちゃ、
マスターズ制覇なんて夢のまた夢だヨ。

ウッズもマキュロイも馬群に消えた。
ミケルソンは何とこの大会6度目のランナー・アップ(第2位)。
悪霊にとりつかれているとしか思えない。
2位だってスゴいじゃないか、なんて慰められても
マスターズを3度も制した彼とすれば、
意地でもそんな地位に甘んじていられやしないのだ。

さて、われらが松山英樹。
すでに日本ゴルフ界における史上最強のプレイヤーといってよい。
精神と肉体を兼ね備えた理想的なゴルファーの誕生だ。
末恐ろしい? いえ、いえ、行く末が楽しみで仕方がない。
まったくモノが違う。
みんながチヤホヤしていじり壊した石川遼とは次元が違う。
今週、両者一緒に回る日本ツアー選手権で差がハッキリするだろう。

ほかの日本のトッププレイヤーが
せいぜいサッカー日本代表クラスとすれば、
松山は立派にブラジル代表クラス。
早いとこ米ツアーに参加してほしい。
世界の四大メジャーを制したアジア人は
全米プロ(2009年)のY.E.ヤン(梁容銀)ただ独り。
それに続くのは松山以外にありえない。

ミケルソンが全米オープンにどうしても勝てないように
松山がメジャーにどうしても勝てない(岡本綾子みたいに)なんて
泥沼にはまらないとも限らないが、それも杞憂に終わるだろう。
この青年はそれだけのモノを持っている。

サッカーとゴルフは明暗分かれた。
でも明暗でよかったヨ。
これが暗暗に終わっていたならば、
暗澹たる気持ちでコレを書く破目に陥っていた。
窮地を救ってくれたのは弱冠21歳の大学生。
心を込めてお礼を言いたい。
ありがとうヨ、英樹クン!
秀喜無きあとは英樹、キミの時代だヨ!
メジャーを制して国民栄誉賞でも何でもかっさらっておくれ!