2013年6月20日木曜日

第603話 歳とともに変わりぬ

歳を重ねるとともに食べものの好みはずいぶんと変わってくる。
巷間、よくいわれるのは肉とサカナ。
若いうちは肉をモリモリ食べていたのに
40代になったあたりから自然とサカナに切り替わってくる。
もっとも個人差があるから一概には決めつけられませんがネ。

J.C.の場合はまさしくソレ。
子どもの頃はすき焼きや焼き鳥が好物だった。
サカナはわりと苦手なほう。
殊に鯖や鰯など、青背の生臭さには閉口していた。

もっとも江戸前鮨だけは別格で
深夜に父親が鮨折りをブラ下げて帰宅したときなど
眠い目をこすりながら頬張ったものである。
ただし、小肌だけは駄目。
かすり模様の斑点を目にすると、鳥肌が立ったもの。
それが今ではもっとも好きな鮨種に昇格しているのだから
人生、一寸先は闇である。
っていうのは大げさですな。

往時は江戸前の両雄、真鯛や本まぐろより、
カステラみたいな玉子にありがたみを感じたし、
鉄火巻きよりかっぱ巻き、かっぱ巻きよりかんぴょう巻きだもんネ。
モロにお子チャマでした。

面白いのはなぜか、蝦蛄・穴子・はまぐりなど、
煮ものには目が無かったこと。
このあたりはちょいとした鮨通である。
種明かしは実に簡単、
煮つめの甘じょっぱさがすき焼きや焼き鳥に似ていたためだ。

それが知らず知らずのあいだ、
嗜好がゆるやかにサカナへとシフトしてゆく。
昔は見向きもしなかった豆腐に目覚めたのも
同じ時期ではなかったろうか。
夏の冷奴、冬の湯豆腐、豆腐の味わい深さを認識してからは
晩酌の卓の主役とはいかないまでも
立派なバイプレイヤーに成長している。

そばとうどんも年齢とともに立場が逆転した。
以前はうどん派だったのだ。
一流店に出入りしていたわけではなく、
利用頻度の高かったのはもっぱら駅の立ち食いスタンド。
うどんがそばより旨かったというのではなく、
食べ応えの問題だったように思う。
量ったわけではないけれど、うどんにはボリューム感があった。
加えてうどんはノビにくいからねェ。
当時の立ち食いそばなんざ、クタクタのフニャフニャだったもの。

ただ今、コンフェデ杯の日本VSイタリアはハーフタイム。
香川の2点目が決まってから
前半はこのまま、このままと祈り続けたものの、
好事魔多し、世の中そんなに甘くはない。
2点差と1点差では文字通り、雲泥の差だからネ。

さて、後半のホイッスルが鳴った。
うどんだ、そばだなんて言ってる場合じゃないゾ。

と思ったら、いきなり同点だヨ。
麻也は下手というより愚かだネ。
やらずもがなの1点。
と思ったら、今度はPKだ。
あれを取るかネ、主審のアホが!

観てるほうも一気に気持ちが萎えた。
どうにもならないED症候群。
10分少々で3点取られたわけで、こりゃもうサッカーじゃないぜ!