2013年12月27日金曜日

第739話 路線バスを降りた町 (その2)

江戸川橋の「みつぼ」にいる。
池袋や高田馬場にも店舗のある焼きとん屋だ。
ヒョンなことからバスに乗ってこの町へやって来た。
好みの酒と焼きとん5本のセットメニューを頼んだところである。

すると真っ先に運ばれた生ビールがサントリー・モルツ。
これには心底ガックシきた。
晩酌の最初の1杯として、J.C.にモルツは濃厚過ぎる。
女将さんにビールの銘柄を確認したら
サッポロだっていうから安心してたのにそれは瓶のほうだった。
強烈な肩透かしに黒房下へもんどり打って転げ落ちながらも
すかさずサッポロ黒ラベルを追加した。

これには女将が怪訝な顔をする。
それもそうだヨ、どうしちゃったのこの人? てなもんだわサ。
だけどネ、こちらにはこちらの事情がある。
彼女に落ち度はないが
やはり晩酌は好みの銘柄でスタートしたいのだ。
まず瓶を飲んでから生に取り掛かった。
こうするほうがナンボかマシ。

おまかせの焼きとんが焼き上がる。
左からコブクロ・レバー・ハツモト・カシラ・シロ
すべてタレ焼きである。
カシラやハツモトは塩のほうがシックリくるけれど、
これはおまかせの割安価格、致し方あるまい。
それでも揃って見事な雄姿、その肉質に不満はございません。

狭い店が立て込んできたのと、
背中越しのテーブルの学生3人組(♂2・♀1)がやかましく、
殊に女学生の嬌声に耐え切れず、お勘定の憂き目となる。
もう少し長居をしたいところなれど、
君子、やかましきに近寄らず、な~んちゃって。

せっかく江戸川橋にやって来たのだ。
1軒だけで他の場所に退散してはもったいない。
「みつぼ」の近くの「はつとみ」に移動した。
初見参のうどん屋ながら評判は聞いている。
他論はおしなべて高評価が下されている店だ。

店内は細長くうなぎの寝床風。
席は8割方うまっている。
単身なのでカウンターに通された。

ビールは生も瓶もアサヒ・スーパードライ。
そうですよネ、うどん屋・そば屋にエビスやモルツは強過ぎですよネ。
中瓶をお願いすると、お通しは塩味の米粉炒め。
うどん屋で米粉は違和感があるものの、
まあ、小鉢のことにつき、目くじらを立ててもしょうがない。

あとで釜揚げうどんをいただく腹積もりだが
その前に何かつまみを所望したい。
目にとまったのはわがふるさと、信州名物の一品であった。

=つづく=

「みつぼ」
 東京都新宿区山吹町 364
 03-3268-9494