2013年12月2日月曜日

第720話 裏切りのたこ焼き

 ♪  とぎれとぎれに靴音が 駅の階段に響いてる
   楽しく過ぎてゆく人ごみ キップを握った君がいた
   わかったよ どこでも行けばいい
   おいらをふりきって 汽車の中
   思わず叩くガラス窓 君は震え顔をそむけた
   しとしとさみだれまたひとつ ネオンが夜にとけてく
   たよりない心傷つけて 裏切りの街角過ぎてきた ♪
                (作詞:甲斐よしひろ)

「裏切りの街角」は甲斐バンド2枚目のシングルで
J.C.が欧州放浪の旅から帰国する2ヶ月ほど前、
1975年6月のリリースである。
ほどなくこの曲が東京の街に流れるようになり、
初めて聴いて即刻好きになった思い出の曲だ。

それはおいといて、
「俺のフレンチ 神楽坂店」を15分で出てきたわれら二人。
狙いを定めていた日本そば屋へ向かった。
所在地が新宿区・市谷田町だから「たまち屋」。
ベタな店名ながら「たまち藪」とか「たまち砂場」とか、
有名店の屋号を安易に拝借しないところは認めてあげたい。

先刻の店のビールはプレミアム・モルツ・・・だったかな?。
とにかく好みの銘柄に非ず、よってパスしてきた。
「たまち屋」にはアサヒのドライがあり、あらためて乾杯。
相方のK村サンもビールをそこそこ飲むほうだ。

この店にはほろ酔いセット(1050円)というのがあり、
内容はビールか日本酒、冷奴、ざるそば。
酒とそばの料金で冷奴がサービスされる値付けになっている。
でもネ、いきなりざるそばはないだろう。
セットに食指は動かず、
にしんの酢漬けと蓮根のはさみ揚げを所望した。
されど取り立てて旨いわけではなかった。

燗酒に切り替え、つまみの追加だ。
そば屋には珍しいたこ焼きを品書きにみとめ、
相方の止めるのも聞かずに注文。
べつに好きでもないのに好奇心につまずいたのだ。
ついでにカキフライもお願いする。

運ばれたたこ焼きは見るからにクタ~ッとしている。
一つ口にして絶望の淵へ・・・期待は完全に裏切られた。
だって冷凍品をチンしただけだもの。
料理人の陳サンはいいけれど、
電子レンジのチンさんはいけませんや。

そば屋でたこ焼きなんぞ、頼むほうも頼むほうだヨ。
オマケにカキフライまで出来合いの冷凍じゃ泣きっ面に蜂。
相方の冷たい視線に耐えながら
ひとしきりうつむいて反省したJ.C.でありました。

締めのせいろには香りもコシもなく、
和風ラーメンはヤケにスープが甘かった。
せっかく旧交を温めようと目論んだのに
2軒続けて外しちまったぜ、こりゃ。
友よ、われを許したまへ!

「たまち屋」
 東京都新宿区市谷田町2-7
 03-3267-9322