2019年7月23日火曜日

第2181話 人妻と昼下がりの〇事

この日は遠来の人妻とツーショット。
昼下がりの情事ならぬ、食事だけどネ。
お相手はマダム・フロム・ニュジャージーのコヅルちゃん。
およそ2年前に旦那のLouともども、
日本橋の「たいめいけん本店」でランチして以来だ。
今回は単身での一時帰国とのこと。 

待合せたのは銀座のランドマーク「WAKO」だが
彼女ときたら「WAKO」を知らず、
「服部時計店」と言い換えても判らなかった。
いや、のけぞっちゃったヨ。
そうだよねェ、彼らが海を渡って
早や30年の月日が流れたもんなァ。

お連れしたのは4丁目交差点に近い「ローマイヤ レストラン」。
銀座コアビルの真裏、あづまビルの2階だ。
確かここは以前、ドイツ色の強いビヤハウスだったハズ。
「ローマイヤ」はいっとき、
新日本橋でレストランを営んでいたが
そこを閉めて銀座に移ってきたのがこの3月だという。

創始者のローマイヤーさんはドイツ海軍の兵士で
第一次大戦中、中国・青島に駐留していたときに
日本軍の捕虜となり、九州に送られた。
食肉加工の技術を取得していたため、
ドイツ人捕虜の食事を担当することになる。
収容所の食事がドイツ兵の口に合わず、
肉と芋にしたらしいが当時の捕虜の厚遇ぶりが判る。

眺めはよくないものの、窓際の広い席に案内されて
2年ぶりの再会に乾杯。
当方、ピルスナーのビットブルガーをマグ(500ml)で。
相方、ヴァイツェン(白ビール)の
トゥーハー・ヘレス・ヘーフェをグラス(330ml)で
ともに樽出しの生ビールである。

仏産のポークソテーやチキン香草パン粉焼きに興味を覚えつつも
当方、ローマイヤソーセージとスクランブルエッグのガレット。
相方、自家製手ごねハンバーグの大葉おろしソース。
すぐにコンソメスープがサーヴされた。
うん、チキンの出汁がよく出て、手造り感がある。

続いてメインディッシュも運ばれた。
色黒のそば粉ガレットの上にソーセージ&玉子。
そのまた上に粗く刻んだトマト&オニオン。
なぜかこれが冷製だから、温かい料理に合うはずがない。
脇のほうれん草ソテーも冷めていた。

皿には大量のサラダが盛込まれている。
キャロット・ラペ風のにんじん、コールスロー風の紫キャベツ、
加えてレタスにパプリカと、一日分の野菜が摂取できるほど。
デミタス・コーヒーで締め、お勘定は4500円。
ランチメニュー、ビールともに千円少々の計算となる。

「軽くお茶でも・・・」
「いや、電話で話したように歯医者の予約が15時なんだ」
続きは来年また帰国の際にということで
かぼそい身体をハグし、ダンナによろしくと手を振った。

「ローマイヤレストラン」
 東京都中央区銀座5-9-17
 03-6263-9360