2011年4月4日月曜日

第23話 東大に入りました!

このたびめでたく東大に入りました!
ただし裏口から・・・。

本郷の東大にはいろいろと入口があって
正門のほかに赤門が有名だ。
裏口となれば、さしずめ弥生門だろう。
本学にはもう一つ、東大病院に続く竜岡門があるが
こちらは裏というより横口といった印象が強い。

その日は裏口の弥生門から学内に入った。
何のために? ってか?
エヘヘのヘ、昼めしを食いにですよ。
なあ~んだ、めしか! ってか?
若さも能力もないこの身とこの頭、
入学なんか到底できるわけないじゃん。

東大、東大と申しやしてもいささか広うござんす。
学食にもいろいろあって此度目指したのは「第一食堂」、
またの名を「銀杏・メトロ食堂」という。
今は昔、学園闘争でその名を天下に知らしめた、
安田講堂直下のスペクタクルな「中央食堂」も悪くはないが
ノスタルジックな「銀杏・メトロ食堂」は
銀杏・レトロ」と呼び替えたいくらいのものだ。
入口脇の手洗い場からしてこんな感じですもん。

手を洗いながらタイムスリップ

どうです? 懐旧派にはこたえられんでしょ?

さて、肝心の”めし”。
いかに日本の最高学府の、そのまた最高府といえども
格別に味がよいわけでも何でもない。
作ってくれてる方々には申し訳ないが
正直言って学食なんてものは単なる”エサ場”でよいのだ。
学生のうちから美食にうつつを抜かしていたら
将来、ろくな人間になりゃしませんて。

学食に引っ掛けて、大学の後輩を誘ってみた。
声を掛けるたび、けっして断らないヤツである。
もっとも毎度こちらの奢りだからネ。
おっ、そうだ、そうだ、東大で奢りとなると、
大江健三郎の「死者の奢り」がピンとくる。
高校2年のときに初めて読んだ彼の作品は
開高健の「裸の王様」と芥川賞を競い合った末に
惜しくも敗れた秀作である。

エニウェイ、自分で運んだカツカレーがこれ。

ちょっと見はコロッケカレー

口にしてみると、
とんかつもカレーも学食の水準をクリアしている。
相方の食べた日替わり定食はこんなであった。

おかずはかれい唐揚げ・コロッケ・おひたし

白飯ではなく舞茸の炊込みごはんが小ジャレている。

周りを見ると外国人、おそらくアメリカ人の先生が多く、
押しなべて温かい日本そばをたぐっている。
ライスに醤油をぶっかけちゃう民族だから
東京風のしょっぱい、かけづゆがお気に召すのかもしれない。

「銀杏・メトロ食堂」
 東京都文京区7-3-1
 03-3811-5297