2011年4月22日金曜日

第37話 餃子とニンニク

この惑星でニンニクを愛する民族は
東アジア系と欧州ラテン系が双璧であろう。
日・韓・中の人々はみな大好きだもの。
これが東南アジアはともかくも
インド・パキスタンあたりの南アジア、
もっと離れてペルシャ・アラブ圏となると、
ニンニクの重要性はたちまち薄れる。

欧州でも仏・伊・西料理には必要欠くべからざるものなのに
英・独では好まれないし、東欧・中欧・北欧もまたしかり。
はるか昔、1970年代のことながら
スウェーデンのストックホルムで何ヶ月か自炊生活をした。
その際にニンニクを使った記憶がまったくない。
レストランや企業の社食で皿洗いのバイトもした。
そこでもニンニクの匂いを嗅いだことは一度としてない。

先日、埼玉県・春日部のお茶屋さん、
「おづつみ園」で開かれたミニコンサートに出向いた折、
打上げの席で話題がニンニクに及んだ。
オカザワ家では伝統的にカレーとすき焼きに
ニンニクを投入することを声高らかに宣言したところ、
おおむねカレーは理解を得られたものの、
すき焼きのほうはみんなに受け入れがたい目つきをされた。
読者のご家庭では入れませんか? 実に旨いんだけどな。

ほかにもわが家ではかつおに生ニンニクのスライスは絶対。
ビーフステーキやポークソテーにも必要不可欠で
マヨネーズにおろしニンニクを混ぜ込むこともある。
亡父など、あじフライには必ずニンニクスライスを添えたし、
まぐろの刺身ですら、ときにはニンニク醤油で食べていた。
彼の作る唯一の手料理がニンニク味噌だったほどだ。

ニンニクを語っておきながら餃子を無視しては礼を失する。
好みにもよるが水餃子や蒸し餃子はともかくとして
焼き餃子にニンニクはマストであろう。
「週刊現代」の先々週号だったかな?
立川の家元(談志師匠デス)の連載コラム、
「いや、はや、ドーモ」における餃子談義が面白かった。
ニンニク好きの家元が新宿の餃子店「大陸」で
生のそれをかじりながら餃子を食っていたら
店の親父に「あんた通だネ」と言われたそうだ。
満洲にいたこともある親父曰く、
本場では生ニンニクをかじりながら
ニンニクの入っていない餃子を食うのだそうだ。
ホントかね?

三軒茶屋の洋食屋「芝多」の帰り、
「東京餃子楼 三軒茶屋本店」に立ち寄った。
言うまでもなく餃子専門店である。
何とここには焼き餃子だろうが水餃子だろうが
withニラニンニクとwithoutの2種類が揃っておった。
生ビールとともに注文したのは
双方の焼き餃子と水餃子のwithである。

焼き餃子のwith

焼き餃子のwithout

当然のことながら見た目は一緒。
皿に記された店名の色で見分けるのだ。

となればこれは水餃子のwith

いずれも見るからに旨そう。
パクリとやると、さすがに専門店、味はなかなかのもの。
イチ推しはニラニンニク入り焼き餃子であった。
年中無休にして朝4時閉店と使い勝手もよろしい。
近所の茶沢通りと経堂にも支店があって
繁盛しており、ご同慶のいたりなり。

「東京餃子楼 三軒茶屋本店」
 東京都世田谷区太子堂4-4-2
 03-5433-2451