2012年11月16日金曜日

第449話 10年ぶりの「リラ・ダーラナ」 (その2)

10年ぶりの「リラ・ダーラナ」。
もともとは西荻が発祥の地だそうだ。
移転後の新店は「STB139」の近くにあった。
モダンなビルの2階だが
大衆酒場のよさを備えていた旧店の雰囲気が好きだった。

生ビールの銘柄はストックホルム・プレミアム。
スッキリと飲み口がいい。
今はどうだか知らないけれど、
昔の北欧にはエビスみたいな重いビールがなかった。
2年前にストック在住の旧友・S水クンが一時帰国した際、
缶ビールを何種類かみやげに持参してくれたが
みなスッキリのアッサリだった。
推測するに状況はあんまり変わっていないのだろう。

北欧ではアルコールの含有量でビールの値段が変動する。
昔住んでたときは軽いのを選んで飲んだものだった。
もっともスウェーデン人は酔おうと思ったとき、
ビールなんか飲みはしない。
もっぱらじゃが芋焼酎のアクアヴィットで
ビールはそのチェイサーの役割に甘んじるのが常。

オバさまお二人は「STB139」で軽く食事してきたし、
J.C.はそれ以前に恵比寿のカレー屋を訪れた。
ここでは前菜をつまむ程度に抑えるつもり。
メニューの吟味に入ったので読者も一緒にご覧ください。

=秋の前菜メニュー=

 ニシンのマリネ盛り合わせ3つの味で ポテト添え   1000円
 アボカドのムース グリーンランド産小エビ飾り     1000円
 ノルウェー産 サーモンのマリネ ディル風味      1200円
 ウナギのスモークのオープンサンド            1000円
 ダーラナ特製グリーンサラダ                   500円
 タラレバーのオイル漬け 黒パン添え              800円
 自家製 田舎風肉のパテ                  1000円  
                                         
六本木というロケーションを考慮すると
価格設定は控えめだ。
グリーンランド産小エビは甘海老と同じ。
タラレバーは日本で見かけないが北欧人はよく食べる。
缶詰なんかもあったと記憶している。
あん肝を珍重する日本人はたら肝を捨てちまうのだろうか。
いや、それはあるまい、何かに活用しているはずだ。

協議の結果、ニシンとウナギの2皿に決定。
ポストシアターはこの程度でちょうどよい。
ニシンの3つの味というのは
ヴィネガー、マスタード、チリトマトであった。
マリネされた光りモノは好物につき、文句はない。
ウナギのスモークも好きな一品で蒲焼きの次は燻製に限る。
仏料理のマトロート、
いわゆる赤ワイン煮は佳品に出会ったためしがない。

六本木は社会人に成り立ての頃、よく遊んだ街ながら
肌が合わないというか、けっして好きな街ではない。
ただ、「リラ・ダーラナ」みたいな店が
フツーに営業している、そこのところだけは認めてあげたい。

「リラ・ダーラナ」
 東京都港区六本木6-2-7  ダイカンビル2F
 03-3478-4690