2012年11月1日木曜日

第438話 こもれびの小径 (その1) 動物園こそわが楽園 Vol.4

今日は11月1日。
ちょうど1ヶ月前のこと。
午後から上野動物園に赴いた。
10月1日は都民の日で無料開園日。
もっともJ.C.は年間パスポートを所持しているから
来年のGW明けまでは出入り自由なんだけどネ。

無料開園日にわざわざパスポート保持者が
入園したのにはワケがあった。
実はJ.C.が初めて上野動物園を訪れたのは1960年10月1日。
その日はちょうど 52nd Anniversary に当たっていた。
記念すべき日に出掛けておきたかったのである。

いつもは西園側の池之端門から入るのだが
この日は東園側の正門に進路をとった。
正面広場で可愛い仔象のお出迎えだ。
象の鼻ではなく花の象

好天にも恵まれて晴ればれとした気分で歩く。

ゲートをくぐったらパンダや象に目もくれず、
真っ先に目指したのは思い出の場所。
立て札ナシでは見過ごしそう

こう呼ばれるようになったのはいつの頃からか・・・。
52年前のこの日、父親・弟と三人して
母親の作ってくれた弁当をこの場所で広げたのだ。
親子三人ここで食べました

玉子焼きとおむすびを食べた記憶があるものの、
むすびの中身までは思い出せない。
確か海苔は巻いてなかったような・・・。

偶然にもピンポイントでここを発見したのはつい2~3ヶ月前。
そのときは胸が熱くなって仕方がなかった。
そりゃそうだヨ、こんなことって人生にそうそうあるもんじゃない。
驚いたことにこのスポットは半世紀を経てもなお、変わっていなかった。
さもなくば場所の特定など到底できるわけがないのだ。

父も母もすでに墓石の下、今さら訊ねようもないが
父はなぜこんなところで昼めしにしたのだろう。
当時は休憩所があまりなかったせいかもしれない。
そして四人家族の母だけがなぜ居ないのか?
夫婦仲は良かったから、いさかいが原因ではあるまいが・・・。

しばし懐旧の思いにふけり、こもれびの小径をあとにする。
道なりに坂を下って行って妙な檻(おり)に遭遇した。
何が妙かというと檻の中には大型の鳥が3羽。
ナベヅルの番(つがい)とアオサギが1羽である。
何でまたこんな組合せになるのかネ?
ともに番ならまだしも、これじゃアオサギが可哀想じゃないか。
ちょっくら事務所に赴いて、理由を問いただしてみたくなった。

=つづく