2013年1月1日火曜日

第481話 鰻屋の鯖うまし! (その2)

明けましておめでとうございます。

さっそくですが昨年の続きいきます。
年末年始にまたがって同じハナシは当ブログの前身、
「食べる歓び」をふくめても初めてのことです。

昨日、終焉を迎えた辰年はヘンな年でした。
不景気風が吹きまくってイヤ~な年でありました。
デフレ下にして鰻の値段の高騰ぶりは目をおおうばかり。
あれよあれよという間に上昇気流に乗って
天にも駆け昇らんとする有様は龍(ドラゴン)さながら、
もう金輪際、鰻なんか食わねェゾ!
そう、心に決めた方は1億やそこいらじゃないでしょう。
(んなにいるワケないか)

ひるがえって今日からの巳年。
あれほど暴れまくった鰻も今年は蛇(スネーク)のように
しなやかにクネり下がってほしいものです。

でもって、何だったっけ?
「紅白歌合戦」観ながら飲んでるもんで酔っ払っちまいました。
何でそんなに酔ってるんだ? ってか?
フン、知ってる歌がぜんぜん出て来ねェんだヨ、悪いかっ!
あいや、失礼しました、読者にからんでどうしましょう。

そうでした、鰻屋でした。
千葉県・松戸市の「軍次家」の小上がりで
胡坐(あぐら)をかいております。
急騰した鰻を尻目にあえて鯖の味噌煮を食うわびしさよ。
と言いたいけれどトンデモない、この鯖が旨いんですわ。

お昼の定食はA・B・Cと三通り。
刺身・煮魚・かき揚げの3品から2品を選ぶシステムだ。
 A―煮魚&かき揚げ
 B―煮魚&刺身
 C―刺身&かき揚げ
というコンビネーション。
それぞれ料理の内容は日替わりで
当日は煮魚が鯖味噌煮、かき揚げは小海老、
刺身はまぐろとイカだったかな? ちょいと失念。

Aを注文すると、かき揚げもさることながら鯖味噌煮が特筆モノ。
信州味噌のアッサリ仕上げは味噌煮というより醤油煮に近い。
パラパラッとまかれた実山椒が効果できめんで
さすが鰻屋だ、山椒の扱いは手なれたものである。
小鉢の冷奴と切干し大根に手抜かりなく、
豆腐&ほうれん草の味噌椀も花マルだった。

昼の定食を始めたのは30年ほど前だという。
鰻だけでは売上が伸びないため、
煮魚や天ぷらを充実させてランチや一品料理の質を高めた。
読者におかれては一度お昼にお出掛け願い、
気に入ったら本筋の鰻を所望されてはいかがだろう。
うな重は現在のところ、3100円からである。

円安は見込めても、鰻安は望みうすの2013年。
本年もよろしくお願い申し上げます。

「軍次家」
 千葉県松戸市本町18-9
 0473-62-3153