2013年1月8日火曜日

第486話 小倉にハマッて サァ大変 (その1)

 ♪ 小倉生まれで  玄海育ち  
   口も荒いが  気も荒い  
   無法一代  涙を捨てて  
   度胸千両で  生きる身の  
   男一代  無法松      ♪   
     (作詞:吉野夫二郎)

続いて
 ♪ 空にひびいた あの音は ♪
こんなふうに「度胸千両」と行きたいとこだがシツコいからやめる。

ある日突然、北九州の小倉に行きたくなったのだった。
冒頭の「無法松の一生」は好きな曲だし、
森鷗外、松本清張ゆかりの街でもあるし、
競輪やパンチパーマ発祥の地としてつとに有名で
とにかく個性あふれまくるカーオスが小倉だ。

朝、博多で目覚め、すぐ駅に向かって特急列車に乗り込んだ。
小倉駅を出ると、いや、寒い。
東京よりずっと冷えるんじゃないか。
地元の人に聞いたら、朝方は小雪が舞ったんだと―。
こりゃたまらん、飛び込んだのは鳥町食堂街の「麺家まるいち」。
たまたま入ったとんこつラーメンの店だが地元では人気らしい。
べつにここを狙ったわけではなく、
レトロな小路、鳥町食堂街で昼めしにしたかったのだ。
濃厚極まってスープにアブクが!

とんこつ系は好みじゃないが何せこの寒さだ、
はらわたにしみ通る1杯のどんぶりだった。

午後は旦過市場、小倉城、松本清張記念館などを回る。
この街はあきない、まったくあきない。
名所旧跡を訪ねなくとも単に街中を歩くだけで楽しい。

そうこうするうち、宵闇迫って「鮨 小山」へ。
予約の際、好きな銘柄のビールをお願いしてある。

つまみは
 揚げ銀杏、菊ときのこのおひたし、小さな奴、梨白和え、
 しょうさい河豚の茶碗蒸し、熟成しょうさい河豚刺し
 さわら塩焼き、かます塩焼き、松茸・帆立・百合根の茶碗蒸し 
朝日菊の燗酒に切り替えてにぎりは
 赤いか・酢小あじ・さより・熟成真鯛・しょうさい河豚・小肌・
 焼きうなぎ・きす昆布〆・平貝w/柚子胡椒・肝付き生とり貝・
 金太郎w/木の芽&白板昆布・あぶり太刀魚・あぶりさわら・玉子
赤字は特筆)

ご覧のように、まぐろがいない。
うなぎはいたが穴子がいない。
シャコも車海老もはまぐりもいなかった。
それでも満足度は高く、前夜の安吉親分よりウマが合う。
江戸前ならぬ玄海前がここにあった。

昨夜、博多で屋台にフラレて、もとい、雨に降られて
今宵こそ旦過の屋台に繰り出さねば・・・。
博多の仇を小倉で討つ気構えでのぞんだ。
小倉の屋台はおにぎりやおはぎがあるのに酒類を置かないので
まずはコンビニで好みのアルコールを調達だ。

そうして乗り込んだ「はる屋」。
口八丁手八丁のオヤジさん

大根・はんぺん・いわしボール・ロールキャベツをいただいた。
これで巷のラーメン1杯とほぼ同値だから
客は次から次へと現れては腹を満たしてすぐ店を出る。
薄利多売とはいえ、よくこれで商売が成り立つものだ。

=つづく=

「麺家まるいち」
 福岡県北九州市小倉北区魚町1-4-16  鳥町食堂街
 090-2399-1407

「鮨 小山」
 福岡県北九州市小倉北区京町3-5-5
 093-531-8311

「はる屋」
 福岡県北九州市小倉北区馬借1
 090-3663-1180