2013年1月11日金曜日

第489話 小倉にハマッて サァ大変 (その4)

関門海峡に浮かぶ巌流島に棲む野性のタヌキに
運よく遭遇することができて満足、心が晴れている。
連絡船で門司に引き返し、
かつては繁華をきわめたと思しき商店街を歩く。
このストリートで営みを続けている店舗は半数に満たない。
残念がら閉業しちまってるが、たまらん店の跡を見つけた。
平民食堂ってのがスゴいなァ

こういうのに弱いから営業してたら絶対に入ってる。

小倉に戻ってきた。
駅に近い魚町の和菓子舗「湖月堂」で栗饅頭を購入。
小倉にゆかりの作家・松本清張の好物で
何となく食べたくなった。

旦過市場に赴き、予約してあった品々をピック・アップ。
そうしておいて飛び込んだのが「酒房 武蔵」という酒場だ。
宮本武蔵由来の屋号であろう。
生ビールとともに
お手軽な価格(1900円)に惹かれてふぐ刺しを注文。
東京でこの値段はムリだろう

身肉の弾力からしてトラフグだと思われる。
いや、けっこうでした。

壁の品書きにいわしのじん汰煮を見つけ、即追加した。
じん汰煮は小倉名物の一つ

いわしやさばなど青背のサカナを
糠味噌と合わせて炊いたのがじん汰煮。
じん汰の”じん”の字は米ヘンに”甚”が当てられている。
皆目見たことのない字で漢字に転換できない。

ビールから辛丹波本醸造の熱燗に移行する。
これがまたじん汰にピッタリだ。
この佳品がヨソに広まらないのは見た目の悪さだろうか。

さらにハマッてしまった小倉の夜を徘徊。
赤ワインを1~2杯飲みたくなって
立ち寄ったのはトルコ料理店の「エルトゥールル」。
明治23年、和歌山県・串本町沖で座礁した、
オスマントルコの軍艦・エルトゥールル号にちなんでいる。

小倉でトルコもないものだが月並みなワインバーや
スペインバルに行かないところがわれながらエラい。
トルコビールのエフェスが懐かしくて飲んだあと、
ヤークーツというトルコの赤ワインと赤レンズ豆のスープ、
定番のチョバンサラタ(羊飼いのサラダ)をお願いした。

トルコ人(?)のマネージャー曰く、
小1時間もすればベリーダンスのショウが始まるから
ぜひ観ていってほしいとのこと。
小倉でベリーダンスもないものだが乗りかかった船だ、
人の好いJ.C.はそのまま居残ってしまった。

ダンスはそれなりで、そこそこ楽しませてもらい、
流れたのは昨夜と同じ旦過の屋台だ。
小雨のせいか、前夜の「はる屋」は出ておらず、「こずえ」に。
学習効果が働いてコンビニより安いスーパーへ行き、
発泡酒のサッポロ北海道プレミアムと月桂冠のカップ酒を買う。
「こずえ」で食べたおでんは白滝と昆布。
何か追加したのだけれど、どうにも思い出せない。
夜が深まり、酔いも回ってきた。

たかだか急行列車で1時間足らずの博多と小倉。
J.C.は絶対に小倉派だネ。
藤圭子の「京都から博多まで」よりも
村田英雄の「無法松の一生」がずっと好きだし・・・。

=おしまい=

「酒房 武蔵」
 福岡県北九州市小倉北区魚町1-2-20
 093-531-0634

「エルトゥールル」
 福岡県北九州市小倉北区魚町1-4-9 ナガイチビル2F
 093-531-8095 

「こずえ」
 福岡県北九州市小倉北区馬借1
 電話:ナシ