2013年1月9日水曜日

第487話 小倉にハマッて サァ大変 (その2)

翌朝は早く起き出し、朝の散歩である。
毎日飲んでいるウコンのおかげで二日酔いもなく、
冷え込みきびしい小倉の街を独りさまよう。
寒いけれどもすがすがしい。
もう完全にハマッてますな、この街に!
さもなくば、まだベッドでグズグズしている時間帯だもの。

旦過市場はほとんどの店がシャッターを閉ざしている。
開いていた「小倉かまぼこ本店」でこれ幸いに
赤モクと玉ねぎの天ぷら、名代・カナッペの予約を済ませる。
明日の出立が早朝になるため、
今夕にはそれらをピックアップしなければならない。

赤モクは海藻の一種、天ぷらは関東で言うさつま揚げだ。
カナッペは魚介のすり身を薄い食パンで巻き、油で揚げたもの。
コイツがイチ推しで酒にも飯にも実によく合う。
どこか可愛らしい店頭
と思いきや
建物には風格が漂う
すばらしい建築である。

朝食は魚町で24時間営業の「資さんうどん」へ。
北九州を中心に多店舗展開しているうどん屋チェーンだ。
かしわ汁うどんのつゆにもアブク
昨日のとんこつラーメンもそうだったが
小倉のスープにはアブクが付き物なのかな?。
具として鳥もも肉とごぼうと玉ねぎの塩胡椒炒めが入っている。
”資”の字を染め抜いたかまぼこが
グループのトレードマークになっており、つゆはやや甘め。
これが1杯520円だった。
大箱の店内はいつもにぎわっていて客層は千差万別。
市民に愛されている証しだろう。

門司に移動した。
NHKの海外向け番組「Weekend Japanology」のロケで
訪れて以来だから、およそ5年ぶりになる。
あのときは東京発・大分行きのブルートレインに乗り込み、
ひたすらに、ただひたすらに、駅弁を食べ続けたのだった。
そのせいで一時期、駅弁と距離を置くようになったくらいだ。

門司の連絡船のりばで
関門海峡・巌流島トライアングル1日フリーパスを購入する。
連絡船1日乗り放題で800円也。
さっそく対岸にある下関・唐戸桟橋を目指した。

まずは昼めし、唐戸市場2階の「市場食堂よし」に出向くと
かなりのキャパにもかかわらず、
何組か順番待ちの列を成している。
その隣りの隣りにある「唐戸食堂」は
一転してカウンターだけの小さな店なのに客は一人きり。
迷わずこちらに即決した。

キリン生ビールに〆さばとキツネガレイの煮付けを注文。
キツネガレイは顔がキツネに似ていることから付けられた名前で
別名を宗八ガレイという。
同じ魚市場でも築地の食堂のレベルには及ばないが値段は半値。
味のほうもまずまずで、昼下がりの一杯には打ってつけであった。
おかげで生中を3杯も飲んじまっただヨ。
旅の恥はかき捨て、旅の酒は飲み捨てであろう。

=つづく=

「小倉かまぼこ本店」
 福岡県北九州市小倉北区魚町4-4-5
 093-521-1559
 
「資さんうどん 魚町店」
 福岡県北九州市小倉北区魚町2-6-1
 093-513-1110

「唐戸食堂」
 山口県下関市唐戸町5−50
 083-222-3788