2013年1月15日火曜日

第491話 東京だよママさん (その2)

「銀座ライオン7丁目店」にいる。
その日の相方は旧友のN美クン。
千葉からほとんど県外に出たことのない一児のママだ。

ライオングループは言わずと知れたビヤホールのチェーン店。
都内各所の一等地に多店舗展開しているものの、
料理はまったく冴えない。
もうちょいと真っ当なものを提供してほしいが
フラッグシップ・ショップの7丁目店に限れば雰囲気は抜群だ。
この空間で生ビールが飲めるシアワセを
肌で感じつつ、昼下がりのひとときを過ごす。
女性につまみナシのビールは少々ツラいので
ニシンのマリネを注文してあげた。

ジョッキは1杯で切上げ、新橋方面へ。
はて、これからどうしたものだろう。
オヤジタウン・新橋で居酒屋のハシゴじゃあんまりだしなァ。
ひらめいたのが1軒の店だった。
京浜急行の鮫洲にレトロきわまりない洋食屋があるから
ぜひ行ってみてくれという読者からのメールを思い出したのだ。
情報をくれたのは大田区・蒲田在住のT川サン。
新橋からは都営浅草線と京浜急行が直結しており、渡りに舟。
行く先ゆく先、初訪問の相方に
異存などあるわけもなく直ちに出発した。

降り立ったのは新馬場駅。
青物横丁を経て鮫洲まで二駅ぶん、
旧東海道を歩かせてやろうという親心だ。

昭和の香りプンプンの洋食屋に到着。
間口の狭いうなぎの寝床みたいな店の名は「木の葉」。
吹けば飛ぶよな木の葉になぞらえたのだろうか。
初老の夫婦が二人だけで切盛りしている。

メニューの吟味に入る前、瓶ビールで乾杯。
目をひかれた”ちょこっとおつまみ”というのを即座に注文した。
これはハムカツ・ポークフリッター・アスパラ天ぷらの盛合わせ。
少しずつだが300円は良心的な値付け。
まっ、味のほうはそれなりだったけど・・・。

吟味の末、お酒の友・串揚げ(500円)、
海老フライ&ポークソテーw/ライス(1200円)をお願い。
串揚げはアスパラ、ポテトベーコン、ヒレカツ、
メンチフリッター、チキン唐揚げの5本付け。
何だか初っ端の”ちょこっとおつまみ”とかぶったりもして
揚げものはもうけっこう・・・てな感じ。
海老フライは小指ほどの貧相な海老にコロモばかりが厚い。
ポークソテーのみ、まずまずであった。
紹介してくれたT川サンには申し訳ないが
雰囲気はともかくも料理がねェ・・・。

鮫洲から大井町まで歩き、京浜東北線で上野へ。
アメ横から広小路、湯島の天神下から御茶ノ水、
一日よくまあ、歩いたこと。
愛児を託児所に預けてきたママをそろそろ帰す時刻。
次回は桜の花咲く頃にまたと
御茶ノ水駅で手を振って東京見物は幕を閉じました。

「銀座ライオン7丁目店」
 東京都中央区銀座7-9?20
 03-3571-2590

「木の葉」
 東京都品川区東大井1-2-12
 03-3450-1012