2013年4月8日月曜日

第550話 風さそう 花よりもなお・・・ (その4)

 ♪   花よ綺麗と おだてられ
   咲いてみせれば すぐ散らされる
   馬鹿なバカな 馬鹿な女の怨み節 ♪
            (作詞:伊藤俊也)

いきなりの「怨み節」は梶芽衣子主演の映画、
「女囚701号/さそり」(1972年)の主題歌。
歌唱はもちろん梶芽衣子で
作詞の伊藤俊也は本作品のメガフォンも取っている。

先週のテレビ東京、「木曜8時のコンサート」。
彼女が初めて歌う姿を映像で観た。
いや、上手ですねェ、女優の歌い手としては屈指の歌唱力、
加えてステージ上の存在感も並大抵ではない。

実はJ.C.、この番組が大好き。
木曜夜に在宅していると、まず見逃すことはない。
おう、おう、大木英夫&津山洋子が「新宿そだち」だヨ。
あら、あら、長山洋子&水森かおりで「恋のバカンス」かい。
にしきのあきら(現・錦野旦)は「空に太陽があるかぎり」、
これしかヒットがないからネ。

デュエット・コーナーでは、山川豊&長山洋子が「銀座ブルース」。
菅原洋一&秋元順子は「アマン」ときたぜ。
この2曲はJ.C.のデュエット用持ち歌ながら、ちっとも上手かない。
おやおや、小柳ルミ子は「瀬戸の花嫁」だ。

当夜の出演者はほかに松平健、森昌子、氷川きよしと、
チョー豪華版でこれにはNHKも真っ青だろう。
それにしても津軽三味線を手にした、
長山洋子の「じょんがら女節」は圧巻だった。
か細い身体にパワーがみなぎっている。
キリがないからこのへんでやめとくか・・・。

浅草はすし屋通りの「三岩」にいる。
気に入りのにしん酢がないから、いきなりのたらちりだ。
「ん? 何だって? エッ、こっちも売切れかい?」―
商売する気があんのかネ、お願いしますヨ、ホントに。
仕方なく湯豆腐で手を打った。
豆腐だけじゃもの足りないのでかきの土手鍋も注文。
「三岩」の鍋ものは小鍋仕立てにつき、二つ頼んでも問題ない。

かきがタップリ入った土手鍋は滋味もタップリ。
追加のキスと穴子の天ぷらは近所の天ぷら屋の上をゆく。
下町風に胡麻油香る天ぷらが安くて実に旨い。
浅草名物・デンキブランを飲っておもむろにお勘定。

夜のエンコをぶらぶらと歩き、行き着いたのはなじみの「正ちゃん」。
真冬でも野外のテーブルが定席だが
この夜はツレをいたわって店内のカウンターへ。
生ビールをお願いしたらママ(正ちゃんの奥さん)が
まぐろの中落ちをサービスしてくれた。

中ジョッキ2杯で切上げ、浅草から秋葉原までつくばエクスプレスだ。
千葉へ帰ってゆく相方を見送り、
さてこれから上野あたりで最後の1杯とまいろうかの。
花よりもなお、酒を愛でるJ.C.でありました。

=おしまい=

「三岩」
 東京都台東区浅草1-8-4
 03-3844-8632

「正ちゃん」
 東京都台東区2-7-13
 03-3841-3673