2013年4月9日火曜日

第551話 ひとり園地で飲む酒は (その1) 動物園こそわが楽園 Vol.6

風は冷たくとも柔らかな陽射しに恵まれた昼下がり。
三ノ輪・入谷と歩いてわが心のパラダイス、上野動物園に到着。
時刻は15時45分を回っている。
あぶない、アブナイ、あと15分遅れたら入園不可能だった。
閉園時間は17時でも最終入園は16時と決められているからネ。

この日の来園目的を白状すると、動物もさることながら晩酌である。
よって近所のスーパーに立ち寄り、
ビールのロング缶を二つに樽酒の一合瓶を買い込んだ。
つまみは自宅から持参した。

 ① 自分で作ったハムサンド
 ② 小さな真空パック入りチーズ3種類
   ③ ちょいとあぶったたら子

以上3点である。

1年ほど前からちょくちょくサンドイッチを作るようになった。
ほとんどの場合、ハムサンドでこれが一番好き。
バターと辛子を塗った10枚切りの食パンにロースハムを3~4枚しこむ。
この際、パセリと玉ねぎも少々はさむ。
マヨネーズは使ったり、使わなかったり、そのときの気分次第。
きゅうりのピクルスを薄くスライスして用いることもある。
手間ひま掛けての調製は市販のサンドイッチに不満があるからで
中の具材をケチられるとシャクにさわるのだ。
紙のように薄いハムでは恥ずかしくて飽食のアメリカ人には出せない。

もうちょっと暖かくなったら
鵜の池のほとりのテラスに落ち着くところなれど、
まだまだ春は名のみの風の寒さよ。
よって冬場の指定席、西園のカフェテリアの椅子に腰を下ろした。
外を眺めるのに好都合の窓際のテーブルで一杯飲りながら
ピープル・ウォッチングとまいりましょう。

人の流れを見ていると、一番多いのはコンパクトな家族連れ。
若い夫婦にチビッ子1匹という組合せだ。
それに続くのはヤングカップルのデートになろうか。
同じ逢びきでも中年の不倫みたいなのはトンと見掛けない。
ああいう連中は上野の隣りの鶯谷へ直行するのだろう。
鶯谷は都内有数のラブホ・タウンなのであります。

意外に目立つのが若い女性の二人連れだ。
レズには見えないから、彼氏レス同士のいたわり合いといった趣きがある。
逆にいないのが男同士、老若問わずにまったく見掛けない。
たまにそんなのがいたとしたら、おおかたヤクの密売取引であろうヨ。
見つけ次第、刑事に成りすまして職質でも掛けてやろうかの。

たったの1時間でもひとり飲みはノンビリした気分になれる。
樽酒のほのかな酔いが心地よい。
動物園でまったく動物を観ないのもなんだから
カフェテリアのすぐ前にいるクロサイのゴキゲン伺いでもしとこうか・・・。

=つづく=