2013年4月12日金曜日

第554話 ひとりわが家で食うメシは (その2)

JR山手線・御徒町駅南口の「吉池」にいる。
この店は当ブログにたびたび登場させた。
珍魚と出会えるチャンスが多く、
何も買わずに店内を巡回するだけでも楽しい。

栗蟹・蛍いか・赤貝とそそられるものが目白押し。
ガード下の立ち飲み処に赴く前に
たまたま立ち寄ったのが運の尽き、
あいや、開運の兆候だったかもしれない。

決め手となったのは北海道産のエイ、いわゆるカスベであった。
ダイヴィングをなさる方ならマンタと聞けば判るハズ。
エイは大好きなんだ。
乾き物のエイヒレはともかく、日本では煮付けるのが一般的。
これがフランス料理となると、レ・オ・ブール・ノワール。
エイの黒バターソースに大変身する。
洋の東西で味わいはまったく異なるが
甲乙つけがたいほどに美味である。
何しろJ.C.は手抜き派、簡単だからほとんど煮付けちゃう。

常時、店頭に並ぶサカナではないゆえ、どうしても買いたくなった。
結局は薬局、前記の3品を含め、全部購入しちまっただヨ。
こうなったら立ち飲んでる場合ではない、
一目散にゴーイング・ホームと相成った。

レシートの内容を明記しておくと

 かに          520円
 お刺身用赤貝    250円
 富山産ホタルイカ  320円
 エイヒレ        172円

締めて1262円也。
おっそろしく安いでしょう?
小ぶりとはいえ、栗蟹なんか雌雄1尾ずつ買ったんだもんネ。

まずは栗蟹のペアの蒸し上げである。
皿の上で片方が泡を吹き始めた
と思ったら逃亡を企てる
逃げ出したのは♂の方だ。
雌雄をどうして見分けるかというと
仰向けに返せば歴然

腹部のふんどしの幅が広いほうが♀(左)、狭いほうが♂(右)だ。
そこをめくって塩をひとつまみしのばせ、仰向けのまま蒸す。

蒸し器など不要で深め大きめの鍋の底に少々水を張り、
皿を一枚引っ繰り返して置く。
その上に皿盛りの栗蟹を乗せて着火。
湯気が出始めてから約15分で蒸し上がるが
今回は個体が小さいので13分に短縮した。
よお~し、よしよし、首尾よく蒸し上がったゾ。

=つづく=