2013年8月23日金曜日

第649話 みんなウナギが好きなのサ (その2)

あ~あ、やんなっちゃった!
いえネ、再び薄髪(はくはつ)の吸血鬼、
もとい、咬みつき亀のことである。
判っちゃいるけど、つい口車に乗せられて
またもや客寄せに協力しちまった。
これじゃ、亀の思う壷じゃないの。

名古屋在住の先輩、S崎サンからはこんなお叱りを受けた。
「あの手の生きものとはつき合わんほうがいいぜ。
 人間が堕落するゾ。
 悪貨は良貨を駆逐するって言うだろ!」―だってサ。
ハイ、ごもっともです。
まさかグレシャムの法則が飛び出すとは思わなんだが・・・。

オンナと言えば、あのデバ亀、つまらん浮気に走ったものの、
その道に疎いせいで対処が未熟なものだから
とうとう発覚してしまい、果ては逆三行半(みくだりはん)を突きつけられて
あえなく離婚の憂き目をみることと相成った。
おのが愚行を少しは省みろっての、バカタレがっ!
まったくもって五十過ぎてからオンナ遊びを覚えるとロクなことはない。
人生において無知は悲劇を呼び込む。

エッ、三行半って何だ? ってか?
もともとは夫が妻の家族に出した離別状のことで
離婚の宣言と妻の再婚許可が
3行半の文章にしたためられたんざんす。

おっと、ハゲちょろけた亀なんぞに構ってられない、
昨日のつづき、つづき、西浅草の「鍋茶屋」である。
ビールのあとは一同、菊正の樽酒に切り替えた。
合いの手はうなぎ肝焼き(一人1本限定)と焼き鳥(もも肉&モツ)だ。
いやはや、旨いんだな、これがっ!
うな肝はもとより、専門外の焼き鳥だって下手な専門店より上だもの。
ちょいと遅れて来た鳥わさだけは珍しく不出来。
熱の通り過ぎでパサついてしまっていた。

そうしてお待ちかねのうな重と相成った。
「鍋茶屋」は2500円のお重一本勝負。
他店のように松・竹・梅だとか、上・特上だとか、
まだるっこしい仕分けが成されていない。
さすが下町・浅草、鯔背(いなせ)だねェ。
あまりの潔さに福沢諭吉の「学問のすゝめ」を思い出す。
 天は鰻の上に鰻を造らず 鰻の下に鰻を造らず

実は注文の際にJ.C.がすゝめたのは
都内ではこの店だけで食べられるうなぎちらし。
鮨屋のちらしのように酢めしの上にうなぎを乗せたもので
珍しいからぜひ!と強調してみたが
「じゃ、それを1人前だけ取ってみんなで味見しよう」―
東海林御大の鶴の一声であった。
そうだよネ、みんな熱々ごはんのうな重が好きなんだよネ。

大勢でうなぎを食べるのは数年ぶりのこと。
とにもかくにもみなさん喜色満面である。
笑う門(かど)にはラッキー・カム・カム、よかった、よかった。

「鍋茶屋」
 東京都台東区西浅草3-16-3
 03-3844-3337