2015年12月7日月曜日

第1245話 鯛や鰻の舞踊り (その1)

 ♪  昔むかし浦島は
  助けた亀に連れられて
  竜宮城へ来て見れば
  絵にもかけない美しさ

  乙姫様の御馳走に
  鯛や比目魚の舞踊り
  ただ珍しくおもしろく
  月日のたつのも夢の中(うち) ♪

       (作詞者不詳)

みなさんご存じの童謡「浦島太郎」の一番・二番である。

此度、J.C.が”亀”に連れられてではなく、
”亀”を連れて向かったのは
竜宮城ならぬ、銀座のうなぎ屋であった。

何だ、その”亀”ってのは! ってか?

 ♪  浮世荒波 ヨイショと越える
  今日はおまえの 晴れの門出だよ
  親が咲かせた 命の花が
  二つ並んだ 鶴と亀
  笑顔うれしい 祝い酒    ♪ 
      (作詞:たかたかし)

坂本冬美のシングル第3弾「祝い酒」の発売は1988年。
当時はニューヨークに赴任していたから
リアルタイムでは聴けてないハズだが
’90年頃にはよくクルマを走らせながら聴いていた。
CDのアルバムだった。

裕次郎や圭一郎やフランクはカセットテープ。
荒木一郎、谷村新司、ザ・ピーナッツ、加藤登紀子あたりは
トランクに積み込んだCDである。

「祝い酒」の”亀”はもちろん花嫁のこと。
よってうなぎ屋に連れて行ったのは元嫁だ。
今でも別れた前妻とはときどき食事を共にしている。

訪れたのは「竹葉亭」の銀座五丁目店。
晴海通りをはさんで三越の真向かいにある。
新橋演舞場の近くに格式高い本店があるが
使い勝手のよいのは断然こちらのほうだ。

1階のほかに地下と2階にも席があり、
特等席は2階の窓際に並んだ3つの卓。
行き交う人々やクルマを眺めながらの酒とうなぎは
格別の味わいがあるのだ。

=つづく=