2016年3月2日水曜日

第1307話 小津が愛したダイヤ菊 (その1)

ダイヤ菊なる酒をご存じだろうか?
信州・諏訪が産する清酒である。
紹介するにあたり、造り手のHPを無断借用させていただこう。
別段、叱られることもないと思われるし・・・。

ダイヤ菊の歴史
 
当蔵は享保2年(1717)に
諏訪高島藩御用商人米問屋の「大津屋」として創業いたしました。
その後大正3年(1914)酒造りに乗り出し、

酒造りに適した立地条件と、先人の努力が実り、
当時の銘柄「ダイヤ菊」「ダイヤ鶴」は
東京市場でも大いに受け入れられるほどの人気を博しました。

その後昭和26年(1951)ダイヤ菊酒造株式会社を設立し、
地元の皆さんや小津安二郎監督をはじめとする、
茅野を訪れた様々な方々に愛され現在に至っております。
なお「ダイヤ菊」の名称は

最高の宝石「ダイヤモンド」と日本の名花「菊」を組合せ、
最高のお酒を目指して名づけられたものです。

米問屋が酒造りを始めて1世紀の歴史を刻んでいる。
ダイヤ菊酒造はその後2008年に
社名を諏訪大津家本家酒造と改称した。
往時、ダイヤ菊とともに醸造されていたダイヤ鶴は
現在、製造されていない。

この国ではちょうど1世紀半前、
菊が栄えて葵は枯れた。
いや、菊が栄えるために葵を滅ぼしたのだ。
歴史は繰り返すものなんだねェ。
信濃の国でも菊は咲き誇り、
鶴は北の空に消えたまま戻ってこない。

大津家本家のHPに映画監督・小津安二郎の名前が見える。
小津はたびたび脚本家の野田高梧を伴って
蓼科高原の別荘にやって来ている。
ベツに遊びに来たわけではない。
新作を仕上げるための遠征だ。

要するに大事な仕事なのだが
実体はほとんど酒浸り状態だった。
このとき彼らが浴びるように飲んだのが
地酒のダイヤ菊だったというワケだ。

手元に「いま、小津安二郎」なるムックがある。
小学館のショトルシリーズ、
Shotor Library に納められた1冊は2003年の発行。
ここに清酒ダイヤ菊にまつわる一文を見つけた。
次話で紹介してみたい。

=つづく=