2016年3月25日金曜日

第1324話 綾瀬はるかと二人飲み (その1)

巷間、あまり知られていないけれど、
JR常磐線・三河島駅周辺はちょいとしたコリアン・タウン。
くわしくは知らないが韓国系よりも
北朝鮮系の人々が多く住んでいる様子だ。
1960年代初めには大きな列車事故に見舞われ、
多くの犠牲者を出してもいる。

その忌まわしい過去に訣別するためか、
近隣の地番は東日暮里や荒川に変更され、
現在では駅名にその名を残すばかりとなった。
徒歩5分くらいの距離には京成電鉄の新三河島駅があって
近所に冠新道なる、名前とは裏腹の古びた商店街があり、
その日はそこで知人と会ったのだった。

1時間余りで用事が済んだらあとは何もすることのない夕まぐれ。
はて、どうしたものだろう。
晩酌には少々時間が早く、
冠新道にはこれといった店舗も見つからない。

徒歩10分の西日暮里まで出れば、
24時間営業の「はってん食堂」、
そしてそのはす向かい、
つくばエクスプレスの高架下には「餃子の王将」もある。
ここ十数年、まったく利用していないが
餃子をつまみに冷たいビールでもいってみるか・・・。
歩き始めたものの、すぐに気が変わった。
東京メトロ千代田線・町屋駅方面にきびすを返す。

ずっと長距離散歩をしていなかったので
久々にしっかり歩いてみるつもりになった。
途中、町屋駅前のビル地下、「ときわ食堂」に惹かれたが
中途半端な時間は枝豆、煮込みなど数点のつまみしかなく、
とても入店する気になれなかった。

初心貫徹、北へ北へと進み、尾竹橋で隅田川を渡り、
北千住の旧市街にやって来た。
宿場町の雰囲気を濃厚に残す一郭は通行人もまばら。
のんびりとした散策が可能だから身を置くだけでも楽しい。

今度は千住新橋で荒川を渡る。
右手間近に東京拘置所を眺めながら小菅の町を抜け、
17時前には綾瀬の町に到着した。
なおも亀有・金町と葛飾区を東進してもよかったが
17時なら酒場が暖簾を出す時間、今宵は綾瀬で飲むことにする。

駅南口のもつ焼き屋「大松」に差し掛かると、
ちょうど開店したところ。
こいつは一番乗りかと思いきや、店内には二組の先客があった。
いったい連中は何時から飲んでるんだい?

=つづく=